新しく港北警察署長に就任した 齊藤 昇さん 新横浜在住 58歳
同心協力で、まち守る
○…「今を大切に、違和感を先送りにしない」。直近2年間は、警察庁人身安全・少年課で理事官を務める。事態の急展開が多いストーカーやDV、行方不明者など、全国各地で発生する事案に対し助言を出す位置に。そして警察人生40年目の今春、初の署長職着任。「常に今できる最善策を」と意気込む。
○…昔から正義感が強かった。「一生かけてできる仕事を」と警察官を目指す。初配属の南警察署管轄の交番勤務を経て、1988年、神奈川県警察第一機動隊へ。昭和と平成の変遷期、混沌の時代に前線へ立つ。「厳しい状況もあったが、人に恵まれた。機動隊時代の先輩は花を送ってくれて」と署長室に届いた祝花を指す。当時の経験が、今につながる糧となった。「あの3年半が、人間的にも成長させてくれた」
○…横須賀市生まれ。中学・高校と野球部に所属する一方で、読書に没頭。原体験は幼少期に新聞に触れたことだと振り返る。「電車のつり革や書評、小説。活字があれば読んでしまう」。離れて暮らす妻と4人の娘とは「ついこの前、そろって会えた」と笑みをこぼす。娘たちの名前は「大人になってもつながっていられるように」と”しりとり”に。家族を語るその表情はあたたかだ。
○…港北区の印象は、新旧入り混じる活気あるまち。多い人口に比例して、110番通報も多いが「区民はもちろん、区外の人々の安全を確保するため尽力したい」と熱意に満ちる。有事の際に、皆で知恵を出し合えるよう、署員には「身体が資本。自分と家族の健康を大切に」と伝えた。そして、フラットな関係でいたいと言葉と仲間を大事にする姿勢を忘れない。「挨拶は私から。コミュニケーションは欠かさずにいたい」