4月に横浜市大倉山記念館の館長に就任した 渡辺 友貴さん 川崎市在住 35歳
憩いの場、つないでいく
○…「街、建物、公園が一体となっていて唯一無二の特性を持っている」と大倉山記念館の魅力を語る。憩いの場として、90年以上地域に親しまれている同館の広報・事業企画を3年前から担当しており、今春、館長に任命された。「皆さんの思いを知ることに注力しながら、100年目につなげていくために記念館の魅力を伝える役割を果たしていきたい」。柔らかな表情だが声には力が宿る。
○…洋館や歴史的建造物を巡ることが好きで、同館に赴任する前に訪れたことがあった。初めて見た時は「荘厳な雰囲気で圧倒された」と振り返る。縁があり勤務し始めると、「市民館や公民館の延長のようで、地域に愛されている」と感じるようになった。地域住民と交流した時に、「子どもの頃はオレたちの遊び場だった」などという話を聞き、「思い出の中の風景に写っていた建物だということを感じる」と微笑む。
○…音楽鑑賞や写真撮影、知らない土地の散策など多趣味。小さい頃から、「写ルンです」で遊んだり、博物館に通って標本や剥製、プラネタリウムに興味を持ったり、中学生になるとトロンボーンを始めたり。「発見に辿り着くことが楽しい」と目を輝かせる。同館を訪れる人の目的は、音楽活動やコスプレの撮影などそれぞれで、大倉山公園愛護会との交流もあり、小さい頃からの趣味が連鎖するように現在にもつながる。
○…長い歴史を持つ建物だからこそ、「安全第一」を大事に、「危ない利用になっていないか」と注意を払う。その裏にあるのは、「記念館での思い出を楽しいものとして残してほしい」という気持ち。多くの人たちの思いが蓄積された同館を、これからも開かれた場としてつなげていく。
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