港北区 文化
公開日:2026.06.11
岸根囃子連 新稽古55周年祝う 記念式典に約100人
江戸時代から続く岸根囃子連が伝統の「新稽古」を始めて55年を迎え、このほど記念のつどいを開催した。当日は港北区長をはじめ多くの来賓や関係者ら約100人が参列。本来は50年での記念式典を予定していたが、コロナ禍による延期や渡辺道春前会長の逝去が重なり、1年間の喪に服した後に現在の伊藤武夫会長による新体制へ移行、満を持して待望の節目を祝う場となった。
地域に鳴り響くお囃子自体は100年以上の歴史を持つが、1972年に始まった新稽古を機に大きな転換期を迎えた。かつては「地元の長男のみ」という暗黙の了解があった継承の枠組みを、時代の変化に合わせて大胆に撤廃。保護者の送迎を条件に幼稚園生などの受け入れを開始した。この柔軟な変革が実を結び、現在では小学生や中学生などの若い世代へもしっかりと伝統が受け継がれ、舞台での親子共演も果たされている。
横浜文化賞の受賞も
同会の活動は地域内にとどまらず、横浜市の友好都市であるフランスのリヨンやカナダのバンクーバーなど海外の周年行事でも披露され、現地の観客を魅了してきた。こうした国内外にわたる多大な功績が認められ、2015年には「横浜文化賞」を受賞している。
つどい当日は、72年に五代目新稽古を立ち上げたメンバー10人のうちの5人の師匠らによる座談会が行われ、昔懐かしい写真を投影しながら、解説。参加者らは熱心に耳を傾けていた。式典のあいさつで伊藤会長は「一番の支えは地域の皆様のご理解とご協力」と感謝を述べ、長年続いてきた秘訣について「後世に伝えるという十字架を背負うのではなく、皆がお囃子を好きという純粋な気持ちで集まっている結果が継続につながっている」と笑顔で語った。義務感ではなく情熱で結ばれた地域の伝統芸能は、周囲の温かい絆に守られながら、これからも未来の世代へと力強く引き継がれていく。
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