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港北区 文化

公開日:2026.07.23

このまちを我がふるさとに 大倉山在住・五十嵐登久恵さん(79)

  • 自身の作品について語る五十嵐さん

    自身の作品について語る五十嵐さん

  • 制作した紙芝居の数々と五十嵐さん

    制作した紙芝居の数々と五十嵐さん

  • 紙芝居作品の数々

    紙芝居作品の数々

 大倉山に暮らして48年の五十嵐登久恵さん(79)。地域の歴史や伝承を、独学で描き上げた温かみのある絵と独自の脚本で紡ぐ「手作り紙芝居」の活動を続けている。

 北海道釧路市出身。18歳で故郷を離れ、大倉山に移り住んでからも保育士として子育て支援の仕事に追われる日々だった。「どこか浮草的な、地に足がついていない思いがあってね」。転機は2014年。「このまちで最期を迎える」と決意していたものの、地域の歴史を何も知らないことに気づき、区役所主催の”紙芝居で区の魅力を発信する生涯学習講座”を受講した。紙芝居を通じて学ぶうち、「ここを本当のふるさとにしたい」と強い思いに変わった。

徹底取材と創作

 「やるからには事実を知りたい」と凝り性の性格。これまでに地域の昔話や民話など100種近い資料にあたり、15作品の紙芝居を完成させてきた。図書館で郷土資料を紐解くだけでなく、夫・達男さん(77)と一緒にカメラを持って取材へ出向くこともあった。最新作『薬缶坂のたぬき』は、菊名駅近くの伝承がモチーフ。資料にわずかに残る「たぬきが人を化かす」という一節から着想を得て、古典落語のユーモアや、自身の大好きなイチジク、大倉山の竹林の思い出をちりばめて脚本を書き上げた。

 近年は自ら地域ケアプラザに足を運んでボランティアの場を開拓。現在は大豆戸町のデイケアで、月1回の訪問活動をしている。手遊びや昔の歌、そして手作り紙芝居を交えた交流は、利用者との特別な時間だ。

 「誰かに強制されるのではなく、見にきてくれた人が喜んでくれる場所が私の居場所」。自分のペースで、今日も地域への愛を1枚の画用紙にのせて届けている。

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