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港北区 社会

公開日:2026.08.06

事件から10年 共に生きる 港北区が描くまちの未来

  • 区役所1階で自主製品を販売するにこにこハウス

    区役所1階で自主製品を販売するにこにこハウス

 津久井やまゆり園の事件から10年。障害のある人を地域の一員として捉える意識は広がりつつある。一方、知識不足などから行動へ移せない課題も残る。事件の風化を防ぎ、誰もが自分らしく暮らせる街へ。港北区高齢・障害支援課の担当者に現状と課題を聞いた。

 「誰もがかけがえのない存在であり、尊重されるべき一人ひとりの個人」。事件から10年の節目を迎え、同課の担当者は言葉を込める。この10年で障害理解は一定の広がりを見せ、ヘルプマークの認知も高まった。区主催の「心のサポーター養成研修」には多くの区民が参加するなど、関心は確実に向いている。

 一方で、接し方への躊躇が行動を阻む実情もあるという。「力になりたいがどう対応すべきか分からないと感じる方も多い。知識や理解の不足が今なお残る壁」と同課は分析する。必要な配慮は人それぞれ異なるため、一律の理解ではなく相手を知ろうとする姿勢が求められている。

日常の積み重ね

 こうした中で、区内では自然な交わりも生まれている。区役所1階などで自主製品を販売する「にこにこハウス」では、障害の有無に関わらず「良い商品だから買う」という光景が定着した。「特別な意識ではなく日常の積み重ねこそが、地域共生の大切な土台になる」と強調する。

 港北区は、自治会や地域ケアプラザ、福祉事業所などの連携が強い。区地域自立支援協議会を中心に、映画上映会といった普及啓発活動にも協働で取り組むなど、豊かな地域力を活かしたネットワーク構築が進む。

 共生社会の実現に向け、「身近な人に関心を持ち、電車で席を譲るなどの小さな思いやりを継続することが大切」と同課。「支える人」「支えられる人」と分けるのではなく、互いに支え合える地域を目指し、風化させず次世代へつなぐ試みを続け「誰もが安心して暮らせる共生のまちづくりを進める」としている。

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