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泉区版 公開:2021年8月26日 エリアトップへ

3本指立てたミャンマー選手 YSCCの練習生に 軍に抗議、難民認定受ける

スポーツ

公開:2021年8月26日

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吉野社長(右)と並ぶピエリアンアウンさん(7月31日撮影)
吉野社長(右)と並ぶピエリアンアウンさん(7月31日撮影)

 試合前の国歌斉唱の際に3本指を立て、軍の圧政に抗議の意思を示したサッカーミャンマー代表のゴールキーパー、ピエリアンアウンさんが、ニッパツ三ツ沢球技場=神奈川区=をホームにするJ3リーグ所属のYSCC横浜に練習生として加入した。母国の子どもたちにサッカーを教えることを夢見て、ミャンマー人初のJリーガーを目指す。

 7月上旬に練習に参加し、チームから評価を受けて練習生としての受け入れが決定。7月31日には中区のグラウンドで行われたチームの練習に合流し、現在は同クラブのフットサルチームの練習にも参加している。

日本でプレーする場を

 サッカーW杯の予選に臨むために来日したピエリアンアウンさんは、5月の日本戦で国歌斉唱の際、チームが軍事クーデター政権を代表したものではないことを示そうと3本指を立てた。そのまま帰国すると拘束などの危険性があるとして日本に留まることになり、日本国内の支援者らのサポートを受けて難民認定を申請。8月20日に申請が認められ、定住資格が与えられた。

 同クラブには、吉野次郎社長の知人を介して受け入れの打診があった。吉野社長は「プレーする場を失ったサッカー青年に場所を提供するのは当然だと思った」と受け入れを快諾。クラブには8カ国の選手が所属しており、「多様な人たちを受け入れていくのが横浜の歴史」と話す。

 合流初日となった7月31日、ピエリアンアウンさんは練習後に報道陣の取材に応じた。

 サッカーができる環境を得たことについて感謝の言葉を述べた一方、「グラウンドの外に出ると母国を思い出し悲しくなる」と胸中を吐露。自身の夢について「一生懸命練習して、いずれはミャンマーに帰って子どもたちにサッカーを教えたい」と語った。

 吉野社長は「Jリーガーになってほしいし、いずれは本国に帰って日本でプレーできて良かったと思えるようになれば」と期待を込めた。

 ピエリアンアウンさんの3本指を立てたパフォーマンスについて当初から理解を示すジャーナリストの木村元彦さんは、「政治的な意図はなく、サッカーをプロパガンダとして使ってほしくない、政治とサッカーを切り離してほしいという純粋な思いからだ」と説明している。

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