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戸塚区・泉区 社会

公開日:2026.07.16

あの頃の泉区、これからの泉区 vol.10〜2026年泉区制40周年〜 #住むなら泉区 美味しいを地道に届ける 横山郁代さん(とまとやさん/横山農園)

  • 横山郁代さん(72歳)…和泉町在住。トマトを中心に育てる農家。女性農業者をサポートする、「よこはま・ゆめ・ファーマー」の1期生。

    横山郁代さん(72歳)…和泉町在住。トマトを中心に育てる農家。女性農業者をサポートする、「よこはま・ゆめ・ファーマー」の1期生。

  • 美味しいを地道に届ける (写真2)

 和泉町にある横山農園では、トマトを中心に野菜や果物を育てている。ガラスハウスのすぐ側の直売所の名前は「とまとやさん」。特にサンロードという甘みが強い大玉のトマトが大人気。毎年天候をうかがい、水やりの頻度など試行錯誤しながら手探りで育てているという。そんな「とまとやさん」の店先では横山郁代さんが笑顔と明るいおしゃべりで客を迎えている。

 いずみ野駅が開通した1976年、結婚を機に22歳で泉区に。実家は酪農を営んでおり、農家に嫁ぐまでは農業に縁が無かったという。「泉区は藤沢の隣ということもあり、藤沢に親族が住んでいて縁がある人も多く、馴染みやすかった」と当時を振り返る。

「とまとやさん」誕生

 横山農園に嫁いでからは販売を担当。市場に卸さなかった分と幼い子どもを軽トラに乗せ、引き売りをした。その後、畑の側で無人販売を始めるとトマトが大人気に。安定して商品を供給できるよう、常連の要望もあり小規模な直売所を開始。

 その後は、口コミによって真っ赤で甘いトマトの美味しさが評判を呼び、連日多くの人が集まるように。朝からの収穫を終え、ハウスから出ると長蛇の列ができており驚いた。列に並んでいる客が、「とまとやさんに今いるけどあなたもトマトいる?」と親族や友人に電話をするのを耳にし、直売所に「とまとやさん」と名付けた。直売所の売上を貯めて少しずつ倉庫を建て直し、現在の広さのある直売所が完成。土台のアスファルトは常連客が作り、建物は夫の耕一さんが建てたという手作りの直売所だ。

 味にこだわりのある客が遠方から来ることも多い。もっと生産量を増やす選択肢もあったがトマトの質を落とさずに育てられる量にこだわった。「地道にやることが大切」と力を込める。

会話を大切に笑顔を生む

 42歳の頃には「よこはま・ゆめ・ファーマー」の1期生20人の内の1人として認定された。この制度は、農業経営・農家生活・地域活動等に主体的にかかわる女性農業者を認定し、研修やセミナー等さまざまなサポートが受けられる制度。普段関わらない人達と交流する機会も多く、コミュニケーションをとることを一番大切にした。特に研修先である岩手県の大規模農家には、広大な畑だけでなく、海外へ学びに行くなど農業の発展に積極的な姿勢があり、大きな衝撃を受けた。

 そのほか区役所や周辺農家と協力し「農と住のふれあい」活動の一環として立場駅前に直売所を設置し、手作りの味噌や漬物の加工販売にも力を合わせた。

 多彩な活動を経て改めて原点である「とまとやさん」への想いが強くなったという。「これからも直売所で、身近な方と会話をしながら、求めてくれる人に美味しいものを届け続けていきたい」と笑顔をみせた。

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