NPO法人「らしく並木」は2月23日、コミュニティ講座を開いた。旧小柴貯油施設を利用した揚水発電など、並木地区の地域活性化案を発表。今後、実現に向け横浜市にも働きかけていく考えだ。
今回の講座は誰もが「自分らしく」暮らせる街を目指して活動するらしく並木と関東学院大学中津研究室の共催で行われた。「並木で発電!?潮干狩り!?ふなだまりの活用による、なみきの地域活性化をめざして」と題し、並木臨海地区の活性化について話した。
らしく並木は昨年4月、地域の遺産活用・自然環境活用による地域活性化を目指し、「海水揚水発電・ふなだまり浄化委員会」を立ち上げた。「震災もあって、地域でもエネルギー問題に目を向けていた」と理事長の福島富士子さん(57)。同委員会は約1年をかけ、揚水発電の在り方や課題を検討してきた。
当日は、その検討状況を参加者に紹介。会場のオフィスかなざわ(金沢スポーツセンター内)に揚水発電の仕組みを簡単に再現し、デモンストレーションを行った。また、学生が製作した並木地区のジオラマを展示。もとは入り江だった舟だまりの地理特性や揚水発電に必要な高低差が一目で分かるようにした。
委員会メンバーで横浜国立大学名誉教授の平山次清さん(67)は、この揚水発電の発案者だ。旧小柴貯油施設のタンクなどを利用し、電力の安い夜間に海水をくみ上げ、低地に放水することで発電ができないかと考えた。「地域の電力をまかなえるほどの発電量はないが、電力の平滑化や蓄電として有用だと思う。横浜には高台が多いので、他地区でも生かせるプロトタイプになるのでは」と話す。
さらに構想では、発電後の海水を舟だまりに放水する。「水質が浄化されるとともに、塩分濃度が上がれば、あさりが生育しやすい環境になるはず」と期待を込める。実現に向け、地域の了解を得ながら市に提案を続ける考えを示した。
だが、揚水発電の構想を実現するには課題も多い。パイプはすでに撤去されており、老朽化した旧貯油タンクは修復なしの使用は難しい状態だ。実現にはかなりの資金が必要になると予想される。
財務省は今月、旧小柴貯油施設を横浜市に無償貸与する方針を発表。市は来年度中に、都市公園整備の基本計画を策定するとしている。市温暖化対策統括本部の本田裕一さんは、「取り組み自体は、地域一丸となってエネルギー問題を考えるいい機会になると思う」と話している。
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