子育てって、楽しい♪
(2)子との思い出
自粛期間中は、3人の子どもたちと一緒に家で過ごす時間が増えた。だが、会話は少なめだった。みんな反抗期真っ只中である。
この時期になると思い出す。ずっとワーキングマザーだった私。なかなかひとりずつとの時間を作れなかったが、あるとき真ん中の長男と二人きりで出かける機会があった。彼が小学校に入る直前のことだった。
桜木町に出かけ、観覧車に乗ったり、お菓子を買ってあげたり。普段は入らないようなレストランに入り、一緒にハンバーグを食べた。しかし彼にとってはきょうだいと一緒にいるのが当たり前。思いのほか楽しそうではなかった。その子の性格をしっかり見ずに過ごしていた、私の自己満足だったなぁと笑ってしまう。
帰り道、手をつないで駅まで歩いた。電車のドアが開いて、乗り込もうとしたとき、彼は電車とホームの隙間にストンと足を踏み外した。反射的につないだ手をギュッと引っ張ったので下までは落ちず、胸のところで引っかかった。周りの方にも助けてもらい、何事もなかったかのように電車は走り出した。私はものすごくドキドキしていた。そんなことも彼は覚えていないのだろうか。長男と手をつないで歩いたのは、あれが最後だったかも。
【執筆】お母さん業界新聞横浜版編集長 植地宏美さん(磯子区在住)▼神奈川区大野町1の8の406/【電話】045・444・4030
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
|
<PR>