地域住民がコンビニとコミュニティ施設の運営に乗り出し、郊外住宅地に活力を――。栄区野七里の閑静な住宅地に新しいスタイルの施設「野七里テラス」が10月29日にオープンした。この日、式典やお披露目会が開かれ、地域住民にとって念願だった施設の誕生を祝った。
野七里地区は港南台駅からバスで約18分。緑豊かな丘陵地に囲まれた住宅地で、大手住宅メーカー「大和ハウス工業(株)」が郊外型戸建住宅団地「上郷ネオポリス」として造成し、1972(昭和47)年に販売を開始した。
ただ開発から40年以上経過した現在では住民の高齢化率は50%を超え、人口減少や相次ぐ店舗の閉店、小学校閉校といった郊外住宅地ならではの課題に直面している。
こうした事態に対し、2016年に自治会や有識者、高齢者住宅協会、同社などで構成される「上郷ネオポリスまちづくり協議会」を発足。郊外住宅地の再生の仕組みや手法を探り、研究を重ねてきたという。
「野七里テラス」の開設はその取組の第一弾。大和ハウス工業が所有地に建物を建設し、関連会社がコンビニ「ローソン」の運営を手掛ける。地域住民らでつくる一般社団法人「野七里テラス」が併設するコミュニティススペースの運営に取り組むほか、コンビニの運営を支援する。
コンビニの収益の一部はコミュニティスペースの運用に充てるという。ボランティアとして活動する住民には謝礼として、このコンビニだけで利用できるコインを渡す仕組みも導入した。需要を考慮し、営業時間は午前8時から午後8時までに設定した。
29日の開所式には多くの関係者が出席し、お披露目会は多くの住民で賑わった。大和ハウス工業の芳井敬一社長は「昭和47年を物語の第一章とすると、第二章は今から始まる。ここに来れば優しさがある、そんな施設になれば第一段階として大成功」とあいさつ。
同協議会の吉井信幸座長は開設の経緯やまちづくりの理念を説明し、「私たちは限界集落を受け入れず、元気で快適なまち『元快集落』をめざしていきたい。これからがスタート」と話した。
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