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公開日:2025.09.11

男子50mバタ90〜94歳
仲丸さん(ルネサンス港南中央)が世界新
1秒65更新し、栄冠

  • 賞状を手にする仲丸さん

 港南区のスポーツクラブ「ルネサンス港南中央」を拠点に活動している仲丸徹雄さん(90)が、千葉県で8月16日に行われた「第30回JSCAマスターズカップ」で90歳から94歳の男子50mバタフライで52秒48を記録し、世界記録を更新した。

 それまでの世界記録54秒13を1秒65も上回った仲丸さん。今回バタフライの中でも、50mのプールを泳ぐ「長水路」での世界記録を更新した。中丸さんは25mのプールを往復する「短水路」のバタフライ50mでも、今年の2月に50秒18をマークし、世界記録を更新している。7月に市内の50mプールで、長水路の世界記録を越えるタイムで泳げていたこともあり、「自身を持って、リラックスした状態でレースに臨めた」と自然体で当日を迎えた。

必死に泳ぎ切った

 大会では、バタフライで90歳以上の出場者は仲丸さん1人。80歳から84歳など他の枠で出場する選手とともに50mを泳いだ。「90歳を超えると泳げる人も少なくなるので、珍しいことではない」とにこやかに語る。

 冷静にスタートを切ったが、25m地点の通過タイムが練習の時より遅い気がしたという。「いつも25m地点で腕を11回、前に出して水をかいているが、10回で通過したので想定よりも遅いペースだと思った」と話す。すこし焦った仲丸さんはレース後半、腕を大きく振り、スピードを上げた。ゴール手前では疲労から思うように体を動かせないほどに。「歯を食いしばりながら全てを出し切った」と歓喜の瞬間を振り返る。

 「子どもの時から泳ぐのが好きだった」と語る仲丸さん。自宅が中区の新山下町で海が近かったこともあり、近所の友人と満喫した。「昔は缶蹴りか、泳ぐくらいしか遊びの選択肢が無かった」と懐かしむ。中学と高校は水泳部がなく、夏に市内のプールに通う程度だった。金融機関に就職後は、週末に港南プールなどに行くのが習慣化。社会人の大会に出場することもあったが、上位入賞の経験などはなく、あくまで自分が楽しむことを重要視していたという。

 水泳を80年近く続けられた要因を聞くと、「自分でも分からない。小さい頃から慣れ親しんでいたし、他に趣味も無かったからだと思う。ただ、練習して自分のタイムが縮まるのは何歳になっても嬉しい」と笑顔だ。

100m出場が目標

 90歳になった現在も週4回のペースでクラブに通う。30分ほど水中ウォーキングをした後、バタフライや平泳ぎで往復するのが定番の練習メニュー。自身の強みを「体力」と評し、週1回の筋トレも欠かさない。ルネサンス港南中央のスタッフは「練習でも90歳とは思えないキレのある動きをしていて、いつも驚かされている」と普段の様子を語る。

 世界記録を更新した次の目標は、「100mバタフライでの大会出場」。仲丸さんによると、90歳以上の枠で100mバタフライの公認記録を持っている人はまだ存在していない。「どこまで行けるか分からないが、体が動くうちに挑戦したい」と熱意を見せる。前人未踏の記録に向けて、仲丸さんは今日も泳ぎ続ける。

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