横浜駅西口の幸川沿いで営業を続けてきたおでん屋台1軒が3月3日早朝、道路の不法占有を理由に横浜市の行政代執行により撤去された。市が道路の不法占有をめぐって行政代執行を行うのは初めて。これにより昭和から60年近く親しまれてきた同地区の”屋台街”は完全に姿を消すことになった。
幸川沿いのおでん屋台は1970(昭和45)年ごろから市道の道路使用許可を得ない形で営業を続けてきた。多い時で16軒が連ね、昭和の面影を残す風景として最近でも賑わっていた。しかし、市は不法占有を理由に88年から撤去するよう再三指導してきた。話し合いの結果、2010年には当時残っていた12軒全てが今年2016年1月末までに自主撤去する旨の誓約書を提出したが、2月になっても数軒が残り、3月3日の執行日にも1軒の屋台が残っていた。
強制撤去は午前9時に始まった。西土木事務所の職員が行政代執行の宣言を行い、市職員や解体業者らが屋台の取り壊しを開始。ハンマーやバールで屋台を解体し、中から備品や看板などを撤収、そして最後にリヤカーや柱を取り外すとメリメリという音とともに屋根ごと崩れ落ちていった。
西土木事務所の井上幸一所長は「代執行に至ったことは非常に残念だが、市としても長い間話し合いを続け、自主撤去を求めてきた。道路法に長い間違反している状態でやむを得ないと考えている」と話した。市は解体・撤去に掛かった費用約16万円を店主に請求する。そして、屋台が並んでいた市道には今後、歩道を整備する計画だという。
|
<PR>
中区・西区・南区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>