トップインタビュー 「薬剤師視点で地域に役立つ存在に」 株式会社平安堂 鈴木聖子 代表取締役
―紀伊国屋薬舗として明治3年に開業。新社屋が完成した今年は創業150周年の節目ですね。
本店のある馬車道のビルは戦後に建てられたもので60年以上も経っており、建替えの話はだいぶ前からありましたが、たまたま150周年のタイミングに。馬車道の景観に溶け込むような外観を意識しました。新しいお店の2階には、生薬や調剤道具のコレクションを展示しています。今後この場所をオープンスペースにして、地域の人たちが健康や生活に役立つ情報を得られる講座や、子どもたちを対象にした薬剤師体験などを行いたいですね。
―6代目社長として今の想いは。
私は経営者である前にいち薬剤師でもあります。普段は店頭に立ちお客様と接する機会も多い。「薬剤師としてどう考えるか」。この視点は経営者になってからも変わりません。また社員一同心がけているのは、情報と対応の誠実さです。薬局はお薬をもらうだけの場所ではなく、ちょっとした困り事でも気軽に相談してもらえるような地域に頼られる存在でありたい。そのため外から見て入りやすいように工夫し、薬以外の生活の質を高めるような商品も意識的に仕入れて販売しています。
―具体的には。
今の時期は機能的なマスクやリラックスできるボディスプレーなど。毎年秋に開催される「馬車道まつり」限定の参鶏湯(サムゲタン)スープの素やシナモンシュガーも人気なんですよ。私が薬剤師として開発に携わったオリジナル高保湿化粧水は無添加や香り、使用感にもこだわった商品で店頭でも販売しています。振り返れば3代目も当時珍しい写真現像やソーダ水、アイスクリームの製造販売を行うなど、薬局でありながら地域の人たちを楽しませたいと色々なことをやっていましたので、その想いを引き継いでいるのかもしれません。
―コロナ禍で健康に気を付けていることは。
大切にしているのは「食う、寝る、出す(排せつ)」。コロナ禍でこの健康のバロメーターが崩れている方が多いと感じています。適切な時間や回数などは人によって異なるので一概には言えませんが、判断基準はスッキリ感があるかどうか。自分のことは意外と分からないものなので、紙やお薬手帳にこの3つの状態を書き記して病院や薬局に持参することをおすすめしています。
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