西区西戸部町1丁目に拠点を置く国際協力組織「野毛坂グローカル」(奥井利幸代表)が7月末に、第1回「アジア健康長寿イノベーション賞」の国内優秀事例として表彰された。タイの自治体職員らと自治会町内会などとの直接の学び合いが評価された。
アジア健康長寿イノベーション賞は、日本政府が掲げるアジア健康構想の実現の一助として開催されたもので、アジア各国の具体的な取り組みを募集し表彰している。日本国際交流センターと東アジア・アセアン経済研究センターが主催し、今年が第1回目。
同賞には日本を含むアジア12カ国・地域から約130件の応募があり、大賞3団体(タイ・ベトナム・日本)と準大賞7団体が選定。国内向けには一次選考を実施し、計75件の応募があり20団体が優秀事例として選ばれた。その内、最優秀の3団体が国際選考にはかられた。野毛坂グローカルは、優秀事例の一つ。
同団体代表の奥井さんは、国際協力機構の一員として、タイやミャンマーを中心に農村支援などによる地域活性化や障害者支援などに関わってきた。帰国後、2016年に同団体を創設。今回の受賞もタイの自治体職員らの訪日研修が対象事例。タイの自治体職員850人や同国の大学教員との研修を企画立案し、日本の自治体や大学、介護事業者など多様な組織との研修を行っている。
さらに準大賞に輝いたタイの「ブンイトー市」の事例には奥井さんも立案から関わっており、受賞は二重の喜び。高齢者ケアを医療機関や自治体が個々に実施しているタイにおいて、同市では、住民主体の統合的な高齢者支援を地域で実践、それが高い評価を得た。
奥井さんは「海外の研修員から地域主体の高齢者支援に高い関心が示される一方で、『家族』の役割が希薄という指摘も受け、互いに気づきを得ている」と話していた。
|
<PR>
中区・西区・南区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|