県民功労者表彰を受賞した内科医 白木 洋二さん 白妙町勤務 71歳
器用で多趣味な”赤ひげ先生”
○…今までも数多くの表彰を受けてきたが、今回は「県民として名誉なこと」と格別の嬉しさがある。1977年に開業した「白木内科」では、これまでに延べ72万人の患者を診てきたという。「どんな立場の人でも公平に診ることを心掛けている。”赤ひげ先生”のようにね」と笑う。
○…医師を志したのは「高校生の時、1学年下にかわいい子がいて、その子が医者の娘だったから」と冗談とも本気ともつかないことがきっかけ。市大医学部で学び、「勉強したことが将来も活かせる」と内科医に。市大病院や県立成人病センター(現・がんセンター)に勤務。市大病院での診療時、胃カメラで2㎜×3㎜という医師でも見逃してしまいそうな小さながんを発見。先輩医師は「胃潰瘍では」と疑ったが、早期発見につながった。この40年以上で2万3000人の胃をカメラで見た経験は、数々の命を救ってきた歴史でもある。現在の医院は市大病院の目と鼻の先。患者の紹介なども含め、連携を図れるのは大きな利点だ。
○…かつては南区医師会の会長を務め、多い時は診療以外の仕事が月に40件を超え、私的な時間が全く取れないほど多忙だった。現在は落ち着き、地元での診療にも専念できる。「自分が患者の立場になって受けたい診療」がモットーだ。横須賀市で生まれ、金沢区で育ち、現在は磯子区に住むが、南区の人情深さを診療を通し、肌で感じている。
○…医師会誌用に書いたエッセイ160編が昨年、「たわごと」の題名で本になった。ゴルフはベストスコア70の腕前で同好会の会長でもある。学生時代はプロに教わり、合唱に熱を入れた。手帳から取り出した1枚の紙には90曲以上の演歌の曲名と数字がズラリ。すべて通信カラオケの採点システムで全国1位を獲得した曲だ。「ただの器用貧乏だから」と目を細める。「またエッセイも書いてみたいね」と診察室の外でも目標を追い続けていく。
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