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南区 人物風土記

公開日:2011.11.24

11月30日の認知症啓発講座で講師を務める医師で地域医療の向上に取り組む
東都(あずま)千春さん
高根町在住 53歳

気が付けば父と同じ道に



 ○…講座では認知症の現状や薬の選び方などを話す予定。「最近は見た目は普通でも認知症を患う人が多い」という。市内でも高齢化率が高い南区では切実な問題だけに、落ち着いた語り口から、何とかしたいという強い思いを感じる。



 〇…開業医の家に生まれたが、子どものころは理髪師や美容師を夢見た。「髭剃りのナイフが使いたくて」と好奇心を抱く。診療所が多忙な父と一緒に遊ぶことは少なく「忙しい」という印象の医師の道は考えなかった。しかし、中学生になって父の仕事を改めて見て、多くの患者から信頼されていることを知った。「手に職があって人に頼られる」という点では、理髪師も医師も一緒。医師になることを決意し、猛勉強を重ねた。父からは何も言われなかったが、同じ職業に就いた。その後は市大病院や三浦市立病院で経験を積んだ。



 〇…転機が訪れたのは12年前。それまで多くを口にしなかった父から「遺言だと思って聞いてくれ」と病院を継いでほしいと依頼された。「勤務医として65歳まで働き、その後は家族で旅行を楽しめれば」と将来を描いていたが、父の言葉の重さを受け止め、10年前、庚台の診療所を引き継いだ。内科、小児科など1日に100人以上の患者を診て、往診にも出かける。深夜、携帯電話で呼ばれて診察に行くこともしばしば。それでも「大病院と違ってパーソナルな医療にやりがいを感じる」という。



 〇…年間の休日は数日という多忙さ。毎日、ゆっくり風呂に入って頭の中をリセット。2週間に1度は2時間のマッサージを受ける。「この時だけは携帯電話が鳴っても出ない」と笑う。3人の子どもとの時間を大切にし、食事に出掛けることも多い。「いつか、妻と2人で旅行に行きたい。それも電話がつながらない所にね」と願う。「地域の人が安心して生活できるように―」。そう真摯に語る表情から、患者が信頼し、頼りにする理由が見えてきた。

 

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