母乳育児支援コラム21 抱いて、見つめて、話しかけて 保健師 朝倉 きみ子〈みんなで話そう!おっぱい育児〉
今から30〜40年前は、母親の休養という意味合いから、産後は母子が別室で過ごす医療機関が多かったのです。3時間ごとの授乳に赤ちゃんの睡眠リズムが合わないため、全く飲んでくれず、おっぱいが張り過ぎて困るという悩みも多くありました。
最近は「母子同室制」が多くの施設で行われ、入院中は母子が一緒に過ごすことが普通になってきました。この結果、赤ちゃんのリズムで授乳ができるようになり、スムーズに母乳で育てられている割合が増えたように思います。
20年前、お母さんたちと「よこはま自然育児の会」を母体にした「母乳110番」を立ち上げました。当時、おっぱいの悩みを持つお母さんが多くいました。現在では110番への相談も減ってきています。インターネットが普及したことも要因と思われます。
話して気持ち整理
私は港北区内で定期的に実施している「おしゃべりサロン」に出かけています。先日は「現在、娘は5歳2カ月。無事に卒乳できました」と晴れ晴れとした顔で報告してくださったお母さんがいました。ほかのお母さんからも拍手喝采。5年近く参加している方です。
お母さんたちは一生懸命、子育てを頑張っています。些細なことでも「何で?どうして?」と悩むことが多いです。このサロンでは「聞き役、話し役」が自然に成り立っています。話すことにより、自分の気持ちの整理ができます。聞くことにより、ほかの人の経験を学べます。とても貴重な時間です。情報過多の現代に必要なのは、顔の見える距離でコミュニケーションが図れ、温もりを伝え合える場と関係性ではないかと思っています。
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