6月から藤の木小学校のクラブ活動で和太鼓演奏を指導する 倉持 千賀子さん 六ツ川在住 60歳
心揺らす太鼓の音、次世代に
○…藤の木小学校の給食調理員として今年3月まで、11年間働いた。その仕事ぶりと生き方は道徳の副読本で紹介されたこともあり、「しっかりしなくちゃ」と背筋を正す。毎年、同校の運動会で4年生が踊る「よさこいソーラン」の曲に合わせ、勇ましい和太鼓を演奏する。「簡単なフレーズの曲でも、聞く人の心に溶け込むような演奏を目指している」。太鼓への情熱は人一倍強い。
○…東京都で生まれ育ち、小さいころから体を動かすことが好きだった。中学で所属したバレーボール部では、都大会上位を争うチームのレシーバーとして活躍。高校進学前は強豪校から推薦入学の話もあったという。高校卒業後、家族で横浜に越すと、仕事を通じて知り合った夫と21歳で結婚。2人の子どもを育てながら「学校で子どもと関わりたかった」と35歳で小学校の調理員になった。「『今日のおかず美味しかったよ』と声を掛けられると嬉しくて」と目を細める。
○…太鼓を始めたのは約25年前。地域の青少年指導員を務めたころ、六ツ川大池地区の祭りで和太鼓演奏団体を作る話が上がり、「竜の鼓会」が設立。間もなく代表に就任し、現在は「久良岐太鼓」と合わせ、区内2つの団体で子どもから大人まで、50人以上を指導する。練習中は大きな音が周辺に漏れることもあるが、「周囲の方からの苦情がない。皆さんの協力がなかったら、私は(指導者として)ここにいない」と心から感謝する。
○…六ツ川で一緒に暮らす夫と義母との外食は楽しみの一つ。5月には、5歳の時から「竜の鼓会」の練習に連れて来ていた長女が結婚するなど、嬉しいニュースで家族が盛り上がった。現在も練習に励む娘のように、和太鼓に長く親しむ人を増やしていくことが今後のテーマ。「音の響きはその人の心を表す」という太鼓の魅力が、「地域にもっと根付いてくれたら」と静かに願っている。
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