保護司として藍綬褒章を受章した 高木 正隆さん 浦舟町在住 75歳
肩の力抜き相手と向き合う
○…犯罪や非行をした人の立ち直りを支援する保護司として1993年から活動。規則による定年が間近となる中の栄誉に「最初は1期(2年)で辞めようと思っていたのに、25年以上も続いていた」と笑う。
○…酒屋に生まれ、5人きょうだいの中で育つ。保護司だった父が他界した5年後、町内会関係者から保護司の依頼を受けた。一度は固辞ししたが、翌年、父の七回忌を迎えるころに再度打診が。「お父さんなら『やりなさい』と言うはず」という母の言葉が後押しとなった。「最初は対象者と面会しても、態度が悪かったり、話を聞いてくれず、『何だよ』と思うことがあった」。そんな時、先輩保護司から「肩の力を抜くことが大事」と教わり、うまくいくようになった。
○…これまで120人以上の更生を支援。時には更生を真剣な表情で誓うように見えた対象者に裏切られたり、無力さを感じることもある。しかし、経験を積み「引き出しが増え、自分で相手の悩みの解決方法を考えられるようになった」。今は研修などを通し、後輩保護司の悩みを聞く。
○…横浜橋通商店街周辺で育った。「中学生の時、制服のシャツを外に出して歩いていたら、近所のおばさんに怒られた。常に『脇道にそれるなよ』と言ってくれる人がいた」。その思いは、10年前に就いた町内会長の活動にもつながる。「みんなが助け合い、心配し合うことで、住み良いまちが作られる」。父から継いだ酒屋で一緒に店に立つ妻には「支えてくれたから、保護司を続けられた」と感謝。趣味は囲碁と将棋で、日曜日はプロ棋士の対局をテレビ観戦することが楽しみ。「これからも対象者に寄り添いたい」と肩の力を抜いて更生への道を手助けしていく。
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