新型コロナウイルスの影響で、市立小中学校の修学旅行への対応が分かれている。予定通りに実施する学校や日程の変更、宿泊を取り止めて日帰りにするなどさまざま。市教育委員会は独自のガイドラインを定め、旅行を実施する場合には感染防止策を講じて安全に行えるように支援しているほか、キャンセル料も市が負担することを決めた。
市は修学旅行を教育カリキュラムの一環と位置付けており、行き先の選定などの実施方法を各校の判断に委ねている。今年度は新型コロナウイルスの影響で、予定通り実施する学校や別日への延期、中止など対応が分かれている。
市教委によると、小・中・小中一貫の義務教育学校487校のうち、8月末時点では、小学校の3割、中学校の4割が修学旅行の中止を見込んでいた。9月に入ると実施に踏み切る学校が出始め、17日までに小学校12校、中学校4校が修学旅行を実施した。
随所に工夫
南区の学校では、石川小学校の6年生47人が9月7日から1泊2日、日光へ行った。同校によると、貸切バスの増台や宿での食事は向かい合わずに会話を極力控えるなどの感染症対策を徹底。マスクの交換や手消毒、検温もこまめに行い、児童の体調を考慮した。
制限された中での開催となったが、児童には事前にコロナ対策をした上での旅行になることを丁寧に説明したため、違和感を覚える児童はいなかったという。日光東照宮や足尾銅山でのひとときを楽しんだ。
南吉田小学校は、10月に予定していた6年生の日光への1泊2日の修学旅行を鎌倉への日帰り旅行に切り替えた。11月20日に鶴岡八幡宮や高徳院の鎌倉大仏などの名所を訪問予定で、子どもたちを見守るボランティアの保護者も数人同伴する。
学校に戻ってから行うレクリエーションも3密状況を作らない遊びを検討中だ。同校の金子正人校長は「修学旅行と社会科見学を並行するイメージ。活動は制限されるが、子どもたちにはたくさんの思い出を持ち帰ってほしい」と話す。
キャンセル料公費負担
市は独自のガイドラインを策定し、実施校には文部科学省が推奨する日本旅行業協会の「国内修学旅行の手引き」に準じた対応を求めている。実施校では、貸切バスを利用したり、体調不良に備えて看護師らが随行したりしている。
また、市立小中高校のキャンセル料公費負担などを盛り込んだ1億8千万円の補正予算が市会9月定例会で可決された。学校が中止する場合や保護者の判断で参加を見送る際のキャンセル料に適用される。予算には実施校の看護師らの随行費なども含まれている。
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