市立永田台小学校(松本久美子校長)の畑で児童と住民有志が野菜作りをする「グリーンクラブ」が発足し、1回目の活動が4月21日に行われた。野菜は地域の施設などに提供する予定で、世代間交流と地産地消の循環を主題にまちの活性化を目指していく。
同校は農作物育成などを通じ、環境問題や命について考える授業を行ってきた。校内畑と田んぼでの野菜・米作りなどが評価されて、2010年には県内で初めて、平和や国際的な連携を実践する学校「ユネスコスクール」に認証。21年には「横浜環境活動賞」の大賞を受賞した。
これまで、同校に隣接する南永田団地内の「サロンほっとサライ」にナスなどの採れ立て野菜を提供。サラダやカレーライスに使用され、地産地消を推進するまちづくりに貢献してきた。
つながり醸成へ
同校周辺は少子高齢化やコロナ禍の影響を受けて、地域交流の希薄化が課題とされてきた。
同校の学校・地域コーディネーターを務める山田智久さん、事務職員の阿部智明さんらは、児童と住民が「地域創生」などの目標達成に向けた活動を通し、多世代交流を促す機会を画策。昨年度の4年生が授業で土壌改良した畑の一部を活用し、環境委員会の児童と住民が野菜作りを行う「グリーンクラブ」を3月11日に立ち上げた。
1回目の活動が4月21日に行われ、野菜を育てる前提になる畑の整備作業を実施。同クラブのメンバーは大量に生えた雑草を取り除き、1時間かけて畑を耕した。作業後は「未来につなげスマイルファーム」と書いた看板を設置し、次回以降の活動に向けて結束を強めた。阿部さんは「学校と地域が連携し、次世代につながりのバトンをつないでいきたい」と期待を込める。
資源の無駄なくす
グリーンクラブは月1回の頻度で活動し、日ごろは環境委員会が畑を管理する。ナスやミニトマトを育て、収穫後は給食で提供するほか、同サロンや放課後キッズクラブに寄贈する。こうしたサイクルの循環を目指し、地産地消の定着を図る。
畑には土の中の微生物を利用して生ごみを消滅させる「キエーロ」を設置。給食などで出た生ごみを活用し、資源の無駄をなくしている。松本校長は「子どもにとって、地域交流の楽しさと環境保全を同時に学べる良い機会」と話し、活動を見守っていくとしている。
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