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公開日:2024.03.07

横浜市
子宮頸がん対策に新検診
HPV検査導入へ

 横浜市は国の指針改正を受け、2024年度早期に新たながん対策に着手する。30歳から60歳までを対象に、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染の有無を調べる検診を導入。20歳以上への一律の細胞診検査から、HPV検査に変え、高リスク者に絞った検診が行えるようになるという。

 市の子宮頸がん検診は現在、市在住の20歳以上の女性で、職場の検診などの受診機会がない人を対象に2年に1回受けることが可能だ。子宮頚部の細胞を採取して、異常やがんに進行する可能性がないかなどを顕微鏡で調べる細胞診検査を実施しているが、受診率は推計値で43・6%(国民生活基礎調査結果から算出)と半数に満たない。未受診の理由で最も多いのは「受ける時間がない」というものだ。

対象は30〜60歳

 厚労省によると、子宮頸がんの多くはHPVというウイルス感染が原因。性交が主な感染源だが、2年以内に約90%のウイルスが排除されるという。そのため、がんの罹患率が比較的低く、偽陽性が多く発生する20歳代にはHPV検査を実施せず、2年に1回の細胞診検査を推奨する。

 一方、疾患にかかりやすいとされる30歳以上から60歳までを対象に、5年に一度のHPV検査を導入する。同検査で陽性の場合は細胞診も実施し、細胞診が陰性の場合は1年後に再びHPV検査を促す。HPV検査が陰性の場合は5年後に再検診すれば良いため、多くの受診者は検査間隔が2年から5年ごとになり、負担軽減につながるメリットがある。61歳以上については暫定的に細胞診としている。

 横浜市大附属病院産婦人科の宮城悦子部長は「世界の子宮頸がん検診の流れはHPV検査にシフトしている。HPV感染者を選別することは、将来の子宮頸がん発症のハイリスク者を選別し、より集中的に見守ることにつながる」と話す。

 市医療局の担当者は「24年度早期の導入を目指し、子宮頸がんの死亡率減少を達成できるように受診率向上などに取り組む」と語る。

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