宮前区 スポーツ
公開日:2026.07.03
川崎北高野球部 試練乗り越え「全力」プレー 副主将 荒川千尋さん
第108回全国高校野球選手権神奈川大会が7月5日に開幕する。有馬にある県立川崎北高校のグラウンドでは、大会を前に白球を追う球児たちの熱気が溢れている。3年生の荒川千尋さん(18)は、控え選手ながらチームをけん引する副主将。小学生時代に経験した小児がんを乗り越え、「全力」を胸に最後の夏に臨む。
小学1年生の時に友人に誘われて野球を始めた荒川さんだが、3年生の時に小児がんが見つかり入院。5年生まで入退院を繰り返す闘病生活を送った。当時、同じ病棟で仲良くなった友人が帰らぬ人になる現実にも直面した。「つらい思いも楽しい思いもできなかった仲間の分まで、自分は全力で楽しみたい」。そんな強い思いが、いつしか心に芽生えていた。
「野球を続けたい」と北高へ進学。最初は周囲に馴染めない時期もあったが、先輩たちの支えで乗り越えた。昨夏の大会ではベンチ入りメンバーから漏れ、「めちゃめちゃ悔しかった」と振り返る。それでも「自分にできることは選手を盛り上げること。大好きな先輩たちの力になりたい」と、自ら応援団長を買って出た。
吹奏楽部やダンス部と交渉し、選手個人の応援曲や配置を細かく調整。ベンチ外からチームを鼓舞し続けた。「他部活の上級生との交渉は難しかったけれど、いざ形になって盛り上がると本当に楽しかった」と笑う。
そのひたむきな姿勢が認められ、新チームでは副主将に任命された。最初は「自分で良いのか」と戸惑ったが、自分なりにチームを支えようと決意を固めた。常にチームを客観的に見ることを心がけ、試合中には、守備の位置取りや相手投手の特徴を仲間に伝える。「雰囲気が良くなればチームに流れも向いてくる。良い空気を作ることが自分の役目」と、縁の下の力持ちとしてチームを支える。
チームが掲げる目標は「ベスト16」。高校卒業後は野球を続けないと決めている荒川さん。自身の目標は、やはり「全力」だ。一日でも長く、大好きな仲間たちと熱い夏を過ごすために「全力で楽しむ」。
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