大和 コラム
公開日:2026.07.03
徒然想 連載340 花のお寺 常泉寺 住職・青蔭文雄
今月は病に二義有り。一には因中(いんちゅう)の実病(じつびょう)、二には果上(かじょう)の権病(げんびょう)なり、です。
出典は、随、天台智顗(てんだいちぎ)説、『魔訶止観(まかしかん)』。
意は、病気には二種類あり、第一ははっきりした原因がある本当の病気。第二は何らかの結果を予想した偽りの病気ということです。
権病の権とは偽りという意で、仮病も一つの権病です。自分で仮病を使うという意識はなくとも、無意識に嫌な事を避けようとして体調が悪くなることがあります。他の人が嫌がることを無理に自分でしなければならないと思った時から、胃が痛くなる。ストレスからくる神経の病ですが、これも権病なのです。
例えば、試験が嫌で病気になればさぼれると考えた時、本当に頭が痛くなる。これが続くと、癖になって、試験が近くなると必ず頭痛が出てくるようになってきたりします。決して仮病ではなく、本当に頭が痛むのですが、これも心理的に病気を呼び起こしてしまった権病で、心理的な原因に由来する病と言えるでしょう。
現代社会は特にストレスが多い。実病と権病を見極めて、心身を健全にして無理をせずに生きるようにしたいものです。
桃蹊庵主 合掌
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