神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
高津区版 公開:2012年8月24日 エリアトップへ

北見方の白髭神社 神輿を被災地へ寄贈 復興への想い託す

公開:2012年8月24日

  • LINE
  • hatena
神輿の前で握手。(左から)戸張さん、吉田さん、長崎宮司、神山宮司、猪狩さん、熊谷さん
神輿の前で握手。(左から)戸張さん、吉田さん、長崎宮司、神山宮司、猪狩さん、熊谷さん

 北見方にある白髭神社(長崎範城宮司)所有の神輿が東日本大震災の被災地に寄贈された。8月9日には同神社境内で、それまで神輿を管理してきた北見方町会(吉田豊町会長)による引渡式が行われた。

 今回の寄贈は、川崎区にある稲毛神社の橋渡しで実現した。被災地から譲渡可能な神輿がないかとの打診を受けた稲毛神社が関係各所に話を伝えたところ、応じたのが白髭神社だった。

 同神社では2009年に神輿を新調したが、以来、先代の神輿を大切に保存していた。

 引渡式を前にした8月5日には町会役員や青年部、祭礼部の面々30人が約半日かけて神輿を清掃し、ペンキを塗った。寄贈にあたっては、神輿の一部を修復するための費用も添えた。

気仙沼の一景島神社へ

 寄贈先は宮城県気仙沼市にある一景島神社(神山正志宮司)。神山宮司によると、津波により周辺の木造の民家はほぼ壊滅的な被害を受けた。神社の社も、1基あった神輿も流され、神事を執り行うことができない状態が続いたという。しかし、今年4月には仮の社を建て、5月頃には神輿寄贈という朗報が届いた。

 神山宮司は「何もないところにご厚意を頂戴し、感謝の気持ちでいっぱい。復興への大きな力にしたい」と前を向いた。9月下旬には昨年断念した例祭を行う予定だ。

 神山宮司はこの日、副総代長の猪狩栄寿さん、総代の熊谷義弘さんらとともに白髭神社を訪れた。引渡式で猪狩さんは「神輿を末永く大事にしたい」と謝辞を述べた。

大工による手作り

 寄贈された神輿は57年前、地元有志の大工らが3年以上の月日をかけ作り上げたもの。仕事を終えてからの作業は夜間に及び、飾り物は浅草まで何度か足を運んで調達したという。

 3年前の神輿の新調に伴い役目を終えた神輿だが、「手作りの神輿は、子ども達に継承したい地域の宝」(戸張重雄総代代表)として残された。戸張さんは「神輿が現地で活躍する姿を子ども達に伝えていきたい」とトラックに積まれる神輿を見つめた。

「神のおかげ」

 長崎宮司は「一景島神社では神社の中心となるものが何もない状態と聞いた。大工が丹精込めて作った神輿が再び世に出ることになったのも神のおかげ。気仙沼の繁栄につながれば最高に嬉しい」と話していた。

 吉田町会長は「地域にとって愛おしい神輿が、今後はきっと、復興の心の支えとなって役に立ってくれると思う」と気仙沼で現役復帰する神輿の活躍に期待を込めた。
 

高津区版のトップニュース最新6

市制100年で1万発に

多摩川花火大会

市制100年で1万発に

今年の開催概要決まる

4月19日

「おいしさの技術」に迫る

県立川崎図書館

「おいしさの技術」に迫る

「食」テーマの企画展、話題に

4月19日

「川崎の町名」改訂版発行

日本地名研究所

「川崎の町名」改訂版発行

新たな「由来」などを反映

4月12日

「しあわせ職場賞」に喜び

久地「日本理化学工業」

「しあわせ職場賞」に喜び

障害者の働き甲斐、支援

4月12日

「都市緑化」を後押し

溝の口駅周辺エリア

「都市緑化」を後押し

地元造園家らがイベント

4月5日

上昇幅拡大、より鮮明に

高津区公示地価

上昇幅拡大、より鮮明に

都内との価格差背景に

4月5日

永代供養・合祀墓は4万円から

納骨にお困りの方「眞宗寺」の永代供養墓は後々の費用なし、生前申込・改葬代行

044-965-0965

<PR>

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 5月20日0:00更新

  • 4月15日0:00更新

  • 4月8日0:00更新

高津区版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

高津区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月19日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook