川崎市が「内水氾濫」による浸水被害の危険エリアを示すハザードマップの作成を進めている。2020年度中の完成を目指す。市上下水道局は、先日市内に大きな被害をもたらした台風19号の浸水について「この内水氾濫が主な要因」と話している。
「洪水想定」に含まれず
「内水氾濫」とは市街地に大雨が降った際、排水路や下水管の処理能力を超え、建物や土地、道路などが浸水する現象。先日の台風19号ではこの内水氾濫による被害が市内各所で発生。市の調べでは1685件が浸水した(10月18日現在)。
現状、川崎市が公表している「洪水ハザードマップ」は、多摩川や鶴見川の水位上昇による堤防決壊等を想定したもので、内水氾濫による被害想定は盛り込まれていない。
市上下水道局では2016年度から「内水ハザードマップ」作成に着手。過去の水害の発生概要や被害状況等を反映した「浸水想定区域図」などを基に「内水氾濫の被害想定シミュレーション」を実施。この結果などを組み入れた図面素案を今年度までに作り上げた。今後、避難経路など必要な情報を併記し、関係部局とも内容を共有。整合性などについての確認作業等を進め「2020年度中に完成させる」としている。
「見せ方」に課題も
川崎市の場合、今回の台風19号による内水氾濫の要因は、大雨以外にも外水(多摩川)と内水(支流)の関係性にもあるとされ「この特殊性をどのようにマップに反映するのかが課題」としている。さらに市には既に「洪水」のほか「土砂災害」「津波」と3種類のハザードマップが存在しており、「内水氾濫」のエリアを示した新たなマップを加える上で、市民により伝わりやすい「見せ方の工夫」も検討課題だという。
国土交通省は、内水による浸水は「被害の発生頻度が高い」「河川から離れた場所でも発生する」などと特徴を示している。
「内水氾濫」の被害想定に特化したハザードマップは2015年までに横浜市が公表している。
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