長引くコロナ禍の影響で経済が停滞し”雇止め”等が問題視される中、「若年無業者」いわるゆニート等の就労支援にあたる現場担当者にとっても、苦悩の日々が続いている。
全国に74万人
内閣府が発表している最新の「子供・若者白書」によれば、15歳から39歳までの「若年無業者」(就労・就学状態にない人)は、全国におよそ74万人。区内・溝口にある「てくのかわさき」に事務局を構える「コネクションズかわさき」(かわさき若者サポートステーション/【電話】044・850・2517)では、主に川崎市内におけるこうした若者の就労支援を10年前から開始。キャリアコンサルタントや臨床心理士など、専門分野の知識をもつスタッフが在籍しており、就労を支援する登録制のプログラムを実践。2019年度には258人の登録者のうち150人が進路を決定するなど、一定の成果を残している。
自粛ムード、影響も
しかし同所長で統括コーディネータを兼務する三角香代さんは、今年に入ってからの状況の変化について「コロナ禍の影響で有効求人倍率が『1・0』を割り、選り好みしなくても仕事が1人に1つない社会状況。また新しい社会様式の下、対面での支援は、依然としてリスクを感じています」と、苦しい胸の内を吐露する。さらにこうした外的要因に加え、世間の自粛ムードが個々のメンタルに作用し、引きこもり傾向などを助長してしまう危険性なども指摘。実際に関連団体の調査では、新型コロナウイルスの影響で全体の6割の人がメンタルヘルスを悪化、また3割の人が就職活動を辞めてしまっており、影響の大きさを物語っている。
それでも同所ではウェブ通話機能を使った「オンライン相談」を新たに始め、サポート事業を継続。すると、外出する事なく支援が受けられるメリットが好評を博し、また感染症への不安や移動距離の長さが原因で利用を躊躇していた人からの相談も増加。「より多様な若者の悩みに対応できるようになってきていますよ」(三角所長)と、光明を見出している。
家族セミナー実施へ
さらに未就労の子どもに悩む両親や家族向けの「子どもの”働く”を考える家族セミナー」を10月3日(土)に前出「てくのかわさき」で実施する。
この企画は子どもへの「接し方」「話し方」をレクチャーするほか、最新の就職市場の解説や、受ける事ができる就労サポート情報などを提供予定(参加無料・定員制/詳細問合せや申込みは上記【電話】へ)。現在、多くの参加を呼び掛けている。
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