コロナ禍でさまざまな行事が中止・縮小を余儀なくされた小学校。市立南原小学校(澁谷加寿子校長)では、保護者の発案を基に企画された「子ども元気プロジェクト」を3月2日に実施。シャボン玉のパフォーマンスが披露され、校庭に子どもたちの笑顔が咲いた。
「わあ、すごい!」「こっちにも来てよー」。子どもたちが見上げるのは、大小さまざまなシャボン玉。この日、パフォーマンスに訪れたのは、生田緑地や二子玉川公園など野外でシャボン玉を飛ばす「シャボン玉オヤジ」(本名非公開)。当日は10種類の道具を使ったシャボン玉を音楽に合わせて披露。児童らは歓声を上げて、手を伸ばしながらシャボン玉を追いかけた。野田朝聖(あさひ)君(1年)は「大きいシャボン玉が見られてうれしかった。感動した」、石田千紗季(ちさき)さん(6年)は「イベントがなくて皆落ち込んでいたから、いい思い出になった。皆を喜ばせていてすごかった」と話した。
保護者の提案が実現
この企画が立ち上がったのは、1月上旬。保護者の岩川舞さんの提案からだった。きっかけは、岩川さんの長女・椿さん(6年)が「友達とお泊り会をしたい」と口にしたこと。岩川さんが「こんな時期に何言ってるの」と強く注意すると、椿さんは涙を流してしまったという。「今までずっといろんなことを我慢していたんだと、もらい泣きしてしまった」と岩川さん。このやり取りをSNSに投稿すると、もともと交流のあったシャボン玉オヤジが子どもたちを元気づけようと、「学校に飛ばしに行きましょうか」と反応してくれた。
岩川さんの提案に学校側も快諾。3学年ごとに分け、学年別に鑑賞エリアを決めるなどの感染症対策を行いながらの開催が決定した。澁谷校長は「子どもたちが心を開放して楽しんでいる。この会が開けて、本当にありがたい」と感謝した。
シャボン玉オヤジはハワイの諺「No Rain,No Rainbow(雨が降らなければ虹はできない)」を例にあげ、「コロナで思い出が削られる辛い状況が続くが、物事には良い面と悪い面の両方が必ず存在する。最悪と思うときでも、その陰に小さな幸せが隠れていることを忘れないで」と児童らにメッセージを送った。
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