溝口周辺でシェアマーケットなどの事業を通して地域振興やまちづくりに携わるten株式会社(丸山佑樹代表/【電話】044・400・1075))が、食品大手企業の特許技術を用いた新商品「豆乳おからクッキーシュー」を開発。廃棄されるおからを活用することで食材の新たな循環を目指している。
「メイドインローカル」を掲げ、地元の生産者らと連携し地元産の食材を使用したパンや焼き菓子を製造、販売する店舗「Len」を運営する同社。今回の商品開発は、丸山さんが豆乳の仕入れのために市内の取引先の豆腐店を訪れた時、廃棄される大量のおからを目にしたことがきっかけ。「ふわふわして美味しそうだった」おからが日々廃棄されている現状を知り「まだ食材として価値があるのにもったいないと思った」。生かす術を探ろうとその場で持ち帰り、おからを活用したグラノーラやクッキーなどを商品化してきた。
「再利用」に親和性
店舗でオープン以来一番人気のシュークリームに使用できないかと半年ほど前から試作を開始。シュー生地におからを使用してみたが、吸水性の高いおからの性質上、クッキーシューのサクサク感が持続せずうまくいかなかった。そんな中、川崎市産業振興財団からの紹介で、キユーピー株式会社の開放特許「カルホープ」を活用することに。カルホープは卵の殻を使った食品原料。サクサクした食感を増し、持続させる効果がある。もともと廃棄されていた卵の殻を有効利用している点も「おからの再利用と親和性が高いと感じた」と丸山さん。パティスリーチームで試作を重ね「豆乳おからクッキーシュー」が誕生した。
商品にはカスタードクリームに加えて豆乳クリームも使い、従来品よりもさっぱりした軽い口あたりに仕上げた。消費者の健康、美容志向に合わせただけでなく、環境への配慮などこの商品を「選ぶ意味」に新たな価値をつけたい、との思いもある。「捨てられるはずのおからを利活用することで、廃棄費用の削減になるだけでなく、産業廃棄物として燃やさないためCO2の削減にもなり、食材の循環にもつながる。そこまで考えて選ぶ、消費者の意識の向上にもつながれば」と丸山さんは思いを語る。
同商品は1個350円(税抜)。区内のLen各店舗で購入できる。
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