区内 下作延にある「緑ヶ丘霊園」(佐田彰生所長)では一昨年暮れから昨年春にかけて火災が相次いで発生した。これらは、線香の点火を直接芝生の上で行ったり、新聞紙等の火種を使う事が原因とみられる事から、園側でも対策に着手。線香点火時に使用する「トレイ」の貸出場所に工夫を加えるなどした結果、大幅な発生件数減に成功している。
区内でも屈指の桜の観賞スポットとして、春には多くの人が訪れるなど「津田山霊園」の通称でも親しまれている同所。だが2020年12月から翌年3月にかけて、延べ12件もの火災発生が相次いだ。中には一区画の大半が延焼する事案も含まれており、関係者も対応に苦慮。高津消防署や警察署と連携し、園内パトロールを強化するなど、再発防止に努めてきた。
線香のマナー違反が原因
火災原因の大半を占めるとみられるのが「線香点火後の不始末」。本来は線香に着火する際は「トレイ」を使ったり、墓参の後は水をかけ消火を確認するのがマナーとされるが、一部の墓参者が区画外の芝生の上で直接、線香に火をつける姿などが散見されてきた。
そこで園側は昨年3月にこうしたマナー違反への注意喚起の看板を約60カ所に設置。霊園事務所で防風ライターや線香トレイの貸出も開始した。
「水場設置」で意識醸成
同年3月中旬に佐田所長が就任すると、同氏は園内で自生する竹に着目。これを活用し、地元の「清風福祉会社会復帰訓練所」に作成を依頼し「竹製の線香トレイ」を完成させた。さらにこの竹製トレイは、市内業者らで組織される「川崎石材商工業組合」のアドバイスを基に改良を重ね、広大な同園で1カ所(霊園事務所)だけだった貸出場所を拡充。墓参者が必ず立ち寄る「水場」(園内92カ所)に設置する事で返却時の利便性を高め、トレイを用いた線香着火の意識醸成にも成功した。その結果、昨年3月から現在までの火災は1件にまで減少するなど大きな成果をなり現れている。佐田所長は芝生が枯れ、燃えやすくなる冬場を前に「より一層、利用促進に力を入れていければ」と話している。
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