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高津区 人物風土記

公開日:2023.12.15

市内の展覧会にも積極的に出展している障害者福祉施設を運営する
佐藤 典雅さん
市内在住 52歳

親目線で福祉にセンスを

 ○…市内で放課後デイ、就労支援などの障害者福祉のための事業所を運営する(株)アイムの代表取締役を務める。町内会や商業施設間のコミュニティー力に魅力を見出し、新たな出会いの場として、川崎市内の展覧会などのイベントに積極的に参加する。活動を支えるスタッフたちはその約4割が利用者の保護者。地域を知る仲間に支援してもらうことで幅広い活動ができる。「福祉は地域密着であるべき。まちと深く交流できる団体を目指していきたい」と今後を見据える。

 ○…デザイナーやIT系のマーケティング、営業など大手企業で経験を重ねた。転機となったのは自閉症の長男の存在。先進的な療育が受けられるアメリカへ移住し、約10年経って帰国した際、日本の福祉施設の閉塞感に衝撃を受けた。親として子どもを通わせたくなる施設をつくるため、福祉の世界へ。「違う世界にいたからこそフラットな目線で見直せることがある」と会社を興した。

 ○…「息子の成長と共に歩むこと」。複数の事業所を手掛ける中で一貫した理念を掲げる。我が子の生活上のニーズを満たすことで、同じ境遇にある当事者の需要にも応えられる経営を目指す。さらに注力しているのは利用者のアートプロデュース。魅せ方と発信に重きを置き、障害者への世間の認識を変えることを願う。「事業拡大の中で結果的に多様性が認められる世界になっていけば」と前進していく。

 ○…現在凝っているのは動画配信。多くの業種の人とつながれる環境を生かし、自身のチャンネル「シュガーのり」にゲストを招き対談を行う。「発達障害の子をもつ親からキックボクサーまで、幅広い人から話を聞けるのは興味深い」。人と出会い、福祉のために知見を深めていく。

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