高津区 コラム
公開日:2026.07.10
不定期連載コラム 俳優・JUN、かく語りき 第13回 ええ加減がちょうど良い
タウンニュース高津区版をご覧の皆さま、こんにちは。俳優の鈴木淳です。
皆さまは、頑張り過ぎている自分を自覚する瞬間はありませんか。実は私自身がそうで、若い頃からよく、「力が入り過ぎていて、見ていて疲れる」「動き過ぎて邪魔になる」といったダメ出しをいただいていました。最近でこそ、気力に反比例して体力が落ちつつあり、動き過ぎることはなくなってきましたが、根が真面目なもので、力が入ってしまうことには変わりがありませんでした。
これまで私が関わって来た現場は、事前にきっちりと段取りを固めておき、それこそ1分1秒の狂いもないように進行することが多かった気がします。そのため、自分の責任で足を引っ張ってしまわないように萎縮して、ただでさえ力が入る上に、気持ちも焦ってしまい、本来の自分らしさを発揮出来ないまま終わることもありました。
ですが、今年5月下旬から6月初旬にかけて、イタリアを訪問する機会があったことから、頑張らない自分でいることが、どんなに楽か、実感出来るようになりました。
最低限の流れだけは決めておくものの、後の進行は、その時その場にいる人たちの意向で決めていくスタイルがとても新鮮で、目から鱗が落ちる思いでした。
「相手に委ねる」柔軟さ
帰国してすぐに、クロッキーのモデルを務める機会があったのですが、これまでの私ならば、「こんな格好でこんなポーズを取ろう」と、事前に細かく考えていた筈でした。ところが今回は、和装で小道具を手にすることだけ決めておき、どんなポーズを取るかは、実際に描いてくださる方々の声を伺って決めていきました。自分を素材として提供し、どう料理するかを相手に委ねるといった感じでしょうか。
頑張り過ぎていたのは、自分がこうしたいという意思ばかり表に出ていたのかも知れない。自分の中できっちり固め過ぎず、相手とのコミュニケーションの中で形にしていく余裕を残しておくと、一人で頑張らないでいられる。いい加減ではなく、ええ加減がちょうど良い。読者の皆さまも是非、意識なさってみてくださいね。
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