3月31日告示、4月9日投開票の川崎市議会議員選挙。定数9の多摩区では、現職8人と新人4人の合計12人が立候補を表明し、激戦が予想される。(3月13日起稿、本紙調べ)
現職は前回の得票順に、公明党の河野ゆかり氏(3期・55)、自民党の橋本勝氏(4期・48)、無所属の吉沢章子氏(5期・59)、自民党の上原正裕氏(1期・44)、自民党の各務雅彦氏(1期・52)、共産党の井口真美氏(5期・61)、日本維新の会(前回無所属)の三宅隆介氏(5期・51)、共産党の赤石博子氏(1期・62)が立候補の意向を示し、再選を目指す。
立憲民主党の露木明美氏(3期・68)は今期で引退。新人は立憲民主党の嶋田和明氏(54)と田倉俊輔氏(42)、日本維新の会の井野大輔氏(51)、自由と平和をつかむ党の塚口洋佑氏(46)が出馬の準備を進めている。
重点政策や主張は
河野氏はSDGsや脱炭素施策、障害者支援策の充実を掲げる。少子高齢化対応策ではがん疾患や認知症予防策を推進。かかりつけ保育園や専業主婦世帯も定期利用できる保育制度の創設、不登校特例校の設置、特別支援教育の強化も訴える。
橋本氏は来年の市制100周年記念事業「全国都市緑化かわさきフェア」開催にあたり、新たな緑の価値や創造に向けた取り組みを進めると提言。二ヶ領用水等の河川の適切な管理、都市計画道路・世田谷町田線の整備にも重点を置く。
吉沢氏は災害対策として、各地での減災のワークショップ実施や、水害や地震のハード対策の徹底を主張。地域の人材や環境資源を掘り起こしてネットワーク化し、一級建築士の視点で多摩区のまちづくりをデザインしていくことを掲げる。
上原氏は快適かつ便利な交通体系の構築、地域の実態に合わせた防災と市民間共助への支援等に注力。脱炭素分野など市内企業を成長産業に巻き込む仕組みづくりや、市の遊休資産の活用、全世代に優しいデジタル化も提言している。
各務氏は民間企業や団体の力を借りながら、課題解決のために自ら動くことを表明。区内の交通不便地への新たな交通手段確保や、各世代に求められる居場所づくり、養育費確保・面会交流支援等の離婚前後にできるケアの推進を掲げる。
井口氏は予算編成における「大規模事業の大盤振る舞い」を止め、財政を市民の暮らしに反映するよう主張。学校給食費の無料化のほか、国民健康保険料や介護保険料の引き下げ、特別養護老人ホームの増設などに充てることを求める。
三宅氏は市政を「緊縮財政」から「機能的財政」へと転換させることを提言。財政支出の拡大は市内GDPと税収を増やし、結果として市民所得を引き上げるとし、市民を守るための制度やインフラを整備することができると主張する。
赤石氏は転出超過傾向の子育て世帯への支援の強化を掲げ、高校生までの医療費ゼロや学校給食無料化を推進。特別養護老人ホームの増設と介護職の処遇改善、補聴器購入助成等、高齢になっても安心して住める川崎市を目指すとしている。
嶋田氏は市立中学校の社会科教諭として、市教職員組合執行委員長や川崎教育文化研究所所長を歴任。少子高齢化が進む中、環境や防災等への課題に対して、子どもたちへの十分な教育や高齢者への福祉の充実が一層必要になると訴える。
田倉氏は元衆議院議員公設秘書で、市議選は2度目の出馬。多摩消防団稲田分団に所属し、地域防災力の向上として大規模地震対策や災害に有効な設備の更新を訴える。子育て環境の充実、防犯灯や防犯カメラに関する助成拡充等も主張する。
井野氏は登戸で飲食業を営み、民家園通り商店会会長。4度目の市議選に挑む。区民との触れ合いで問題点を明確にし、市民が納得できる財政運営に反映したい考え。子育て支援や教育無償化、医療や介護問題の解決に注力するとしている。
塚口氏は物流業や出版業、スポーツインストラクター等の職を経験。感染症対策を2019年以前に戻してコロナ前の社会の姿を目指すとし、学校や職場でのマスク強要問題、ワクチン非接種者に対する偏見問題などに取り組む。
有権者は1万人増
前回の投票率は市全体が41・45%。多摩区は41・69%で市内7区中4番目だった。前回の多摩区の有権者数は17万3199人。今年3月1日時点の選挙人名簿登録者数は18万3403人で、有権者数は1万人以上増える見込みだ。
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