子どもたちがどんな環境に生まれたとしても心身共に健康で幸せに生きていける社会実現を目指す任意団体「あゆみYELL」(大庭美代子代表)が7月29日、はぐるま共同作業所(みらぼ)で発足1周年を記念するイベントを開催し、約80人が参加した。大庭代表の子ども時代のヤングケアラー経験も盛り込んだ初の著書「ヤングケアラーの歩き方」の出版記念コーナーも設けられた。大庭代表は「機能不全家族の環境でも、社会の助けがあれば子どもたちは夢を持って生きていける」と決意を新たにした。
大庭代表は、子ども時代、父親がアルコール依存症で働かず、暴力を振るう「機能不全家族」のもとで育った。貧しく、親の代わりに、妹2人の世話をしなければならず、現代で言う「ヤングケアラー」の当事者でもあった。だが、信頼できる教師や地域の大人たちの支えがあったことで「苦しい中でも夢に向かって生きてこられた」と大庭代表は振り返る。そんな経験から、乳幼児と保護者の居場所「おしゃべりサロンあゆみ」を2016年から主宰。加えて、自身の実体験を語り、夢を持つことの大切さを伝える講演会も開催してきた。
そんな大庭代表の活動に共感し、さらに発展させていこうと、助産師や看護師、教員などさまざまな職業の有志24人が集まり「あゆみYELL」が昨年6月に発足した。
活動の一つである「おしゃべりサロンあゆみ」はみらぼで第1月曜日、第3土曜日の午前に月2回ペースで開催。料理教室や親子ヨガなどのイベントを通じて、乳幼児や保護者同士が交流する居場所作りを続けてきた。「育児の悩みを話せる関係が自然とできれば。子どもたちが健やかに育つために保護者も不安なく子育てをする必要がある」と大庭代表。
「人生はいつからでも夢は叶う〜希望のバトンをあなたに〜」と題して講演会も不定期で開催している。また、今年3月からは、第3土曜日の午後に、思春期で悩みやすい中高生の居場所作りにも取り組んでいる。菓子など用意して、中高生が家や学校で話せない悩みなどを気軽に相談できる場を目指している。
7月22日のイベントでは、乳幼児や保護者、中高生など約80人が会場を訪れ、交流を深めた。ステージ上では、ゴスペルライブや親子ヨガ、フラダンスなども行われ、にぎわいを見せた。
初の著書も
7月20日に出版された大庭代表初の著書「ヤングケアラーの歩き方」の出版記念コーナーも設置。自身の経験のほか、さまざまな背景のある9人のヤングケアラーを大庭代表が取材して1冊にまとめた。
大庭代表は「ヤングケアラーだとしても、どうすれば希望を持ち生きられるのか、そのヒントも書いた」と述べ、「子どもが夢を持って生きられるよう、地域の大人とつながる場作りを続けたい」と前を向いた。
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