多摩区・麻生区 社会
公開日:2026.03.04
ホームレス支援が5年目
「今後が踏ん張りどころ」
大学院生・濱野さん語る
川崎駅周辺のホームレスたちの元におむすびなど温かい食事を届ける「夜回り」活動を続ける川崎市在住の大学院生・濱野怜さん。毎週木曜日に休まず実施してきた活動が今年1月で5年目を迎えた。計200回を超える活動を通じ、のべ約6000人ものホームレスに向き合い続ける立場から、「社会や政治に思うこと」を尋ねた。
毎週木曜日の夜、濱野さんは仲間たちと共にリヤカーに食事を積んで川崎駅周辺を歩き、その場でおむすびを作って味噌汁などと共にホームレスに配って回る。活動を始めたのは22年1月。前年の21年秋、JR川崎駅中央改札前で目の前で倒れたホームレスの女性に対して何もできず、女性を助けたホームレスの男性から「目の前の弱者も助けられないのか」と叱責された経験から今の活動を始めた。
以来、一週も休まず、冬には路上でも寒さをしのげるようにとカイロや防寒シートも配る。「困ったことがあれば連絡を」と自分の携帯番号も伝える。初めて接触する人には積極的に話しかけ、本人が関心を示せば、市の支援制度などの情報を共有する。
濱野さんはこうした活動を、「一人でも多くの人の心を動かし、弱者に寄り添える社会にしたい」という一心で続けてきた。だがこの4年間で「社会が変わった」という実感は「正直なところ、まだ抱けていない」と語る。接触するホームレスの数は減ったものの、自殺も含めて亡くなったケースが多く、「同じ人間としてこういう終わり方でいいのかという思いはある。社会にもっと余白やすき間があれば、違う終わり方を用意できたはず」
絶望を放置しない
今回の衆院議員選挙の結果を受け、「投票行動に、目の前の自分の生活をよくしたいという強い期待を感じる。同時に、僕のような活動をする人間たちが一層、踏ん張らなくてはと思った」という。「選挙結果はそれだけ国民の生活が切実で、我慢し続けている証であり危機感と思う」
高市早苗首相は「日本列島を強く、豊かに。」と唱えて選挙戦で旋風を巻き起こしたが、「国民一人一人も強く豊かに、という希望と道筋を示して欲しい」と濱野さんは言う。路上生活者たちの深い孤独や絶望に接してきた経験から、いま切実に「希望と道筋」が求められていると感じている。
「強く豊かであるということは、誰かの絶望を放置せず、誰一人として排除しないこと。政治が国と国民一人一人を強く豊かにする日まで、微力でも現場で支え続けたい。そして個人レベルでも、人と人のセーフティーネットを強くして、一緒に乗り越えていければ」
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