中原区 文化
公開日:2021.03.12
まちの「はてな」に迫る【1】
農家を支えた「関東一」の水車
中丸子・野口家
中丸子用水沿いにかつて、高さ9メートルもの「関東一」と言われた大型水車があった。「コットン、コットン」という水車の軽快な音が中丸子の日常だったという。
水車は1889年頃、野口家の13代目当主・七左衛門さんが設置。近隣の農家が、米や麦などの穀類をひくのに貸し出していた。関東一と言われていただけあって一度に挽ける量は米が十俵、麦が五俵。噂を聞いて大森や大師から馬に乗ってくる人もいたという。
豊かな多摩川の恩恵を受ける一方で、氾濫の度に故障に悩まされてもいた。1923年の関東大震災ではとうとう、復元不可能なほどに壊れてしまったという。
震災後、再び水車が造られることはなかった、当時の名残から今も野口家の屋号は「水車や」。残された臼などは昨年、七左衛門さんのひ孫にあたる守重さん(71)が自宅の庭に整えた。大震災もその後の第二次世界大戦の戦火も免れた「水神様」も祀られている。守重さんは「大切な地域の歴史。良い形で残していければ」と話す。
参考文献:藤嶋とみ子『四季の眺め〜昭和・平成のおもいで〜』
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