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公開日:2026.09.11

人形劇団ひとみ座 地域に届ける笑顔の広場 親子対象の「ちびっこくらぶ」

  • 一緒に「ごっこ」を楽しむ代表の高橋さん(右奥から2人目)=9月2日

    一緒に「ごっこ」を楽しむ代表の高橋さん(右奥から2人目)=9月2日

 1948年創立の人形劇団ひとみ座(井田)が、乳幼児親子対象の交流イベント「ひとみざちびっこくらぶ」に力を注いでいる。5月に就任した高橋奈巳代表らが中心となって企画した「地元といきていくプロジェクト」の一環。劇団のスタジオを開放し、身近な素材を使った遊びや人形劇を通じて親子の笑顔を育んでいる。

 「泣いてしまったらどうしよう」「ぐずって周りに迷惑を掛けるかも」。そんな幼い子どもを持つ保護者の不安に寄り添い、気兼ねなく楽しめる場を作りたいという劇団有志の思いから始まったのが「ひとみざちびっこくらぶ」だ。

 0歳から3歳の乳幼児親子を対象に、少人数制で開催。家庭でもできるシチュエーションを設定し、新聞紙や布といった日常にある素材を使って「ごっこ」や、季節に応じた手遊びや歌を楽しむ。また、目の前で鑑賞できる「はじめましてのにんぎょうげき」など、趣向を凝らしたプログラムが繰り広げられる。

技術を地元に還元

 代表の高橋さん自身も、地域で子育てを経験してきた母親の一人だ。全国各地で本格的な人形劇作品を届けてきた同劇団だが「私たちの拠点がある地元の皆さんに、持っている技術やアイデアで還元できないか」と模索。劇を見せるだけでなく、「親子で一緒に遊ぶ会」という形でこの取り組みを立ち上げた。

 高橋さんは「乳幼児期に親子で一緒に笑い合い、楽しい時間を過ごす体験は、生きていく力や人と人とのつながりになる」と語る。会場では子どもたちが自由に動き回る中で、参加した保護者同士が輪になって交流を深める場面も見られ、地域の子育て支援の場としても機能している。

 スマホや動画などのデジタルコンテンツがあふれる現代において、同じ空間で同じものを見て、笑い合う生の演劇体験の価値はますます高まっているという。目の前で繰り広げられる人形の動きに引き込まれ、想像力を膨らませる体験は、子どもたちの心豊かな成長に欠かせない「子ども文化財」とも言える。

 「ちびっこくらぶ」は春夏秋冬に定期的に開催し、次回は12月7日(月)を予定。近隣と連携して地元に根差した活動を広げ、地域とともに歩む人形劇団の温かな試みが、街に確かなつながりと笑顔の輪を広げていく。

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