東京オリンピックに出場し、「ゴッツ」の愛称で知られるビーチバレーボール日本代表の石島雄介選手(37・トヨタ自動車)は川崎マリエンビーチバレーコート(川崎区東扇島)を練習拠点のひとつとしている。オリンピックを振り返るとともに、ビーチバレーボールの普及に向けた思いを本紙に語った。
石島選手は白鳥勝浩選手(44)とのペアで、7月25日から31日にかけて行われた予選リーグで、ポーランド、イタリア、ドイツの各チームと対戦したが、いずれもセットカウント0―2で敗れ、大会を終えた。予選リーグ敗退だが、「楽しかった」と振り返る。白鳥選手をはじめ、自分より年上の選手が目の前で活躍する姿から、パリ大会(24年)、ロサンゼルス大会(28年)を目指すという新たな目標も見えたという。一方で感動や喜びを肌で感じてもらいたかったので「無観客は残念だった」と語った。小さい子たちが見て、何かを感じて今後、スポーツに携わったり、関連することにつながってくれたらという思いも持っていたという。
「今は楽しくて仕方ない」
バレーボール日本代表として出場した2008年北京オリンピックは5戦全敗の結果に失望感しかなかった。もう一度オリンピックの舞台に立つため、17年にビーチバレーボールに転向。強化指定選手の拠点として川崎マリエンビーチバレーコートで練習をするようになった。石島選手によれば、同コートは浜辺のコートと違い、網フェンスで囲われているため、ボールを拾いに行く手間がかからないなど、効率的な練習ができるという。一般のビーチのコートは予約ができず、早い者勝ちだが、ここは予約が安定して取れるので計画的な練習ができるとも。
バレーボールでの実績にもかかわらず、転向後の1年目は技術的なことを教えてくれるコーチもおらず、まったく勝てなかった。2年目に3カ月間、ブラジル遠征に行き、シンプルなパスの仕方を教わった。ベースが出来て、周りからプレーが変わったと言われ、少しずつ勝てるようになっていったという。転向する少し前にはバレーボールの練習の時は関節への負担を考え、思い切り飛べなくなっていた。「100%の練習ができなければ、力は落ちるし、うまくなれない」。しかしビーチバレーボールでは砂の上でのプレーで関節への負担が少ないことから100%の力が出せる。「今は練習すればするだけうまくなれる。楽しくて仕方ない」と話す。現在の充実ぶりがうかがえる。
マイナーだと言われるビーチバレーボールをメジャーにしたいと考えている。今はコロナ下で難しいが、本来は観客席でビールなど飲みながら応援できて、選手との距離も近く、ライブ感のあることが魅力だという。観客に見られれば選手のモチベーションも上がり、レベルアップにつながる。「ラゾーナ川崎の広場に砂を入れてコートを作ってやれば絶対盛り上がると思うんですよね」と笑顔で語った。
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