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川崎区・幸区 社会

公開日:2025.10.15

唯一の廃棄物専用列車
クリーンかわさき号30年
時代と共に積み荷も変化

  • 特別仕様の「クリーンかわさき号」の正面

 国内で唯一の廃棄物専用列車「クリーンかわさき号」が、運行開始から30周年を迎えた。当初は「ごみ運搬列車」として誕生したが、時代と共に積み荷が変わり、今ではリサイクル資源を運ぶ正真正銘の「クリーン列車」だ。川崎市は今後1年間に渡り、記念イベントを開催する。

 午後6時1分、JR貨物梶ヶ谷ターミナル駅(宮前区)から貨物列車「クリーンかわさき号」が出発する。最大16両編成の列車上のコンテナには、市内のごみ処理施設から集まる焼却灰やプラスチック資源が満載だ。JR川崎貨物駅を経由し、神奈川臨海鉄道末広町駅までの約23Kmを運行。コンテナを浮島処理センター(川崎区)に向かうトラックに引き渡し、翌朝にはカラのコンテナと共に復路を走る。

北部の人口増で誕生

 「クリーンかわさき号」は1995年10月に国内初の廃棄物専用列車として運行を開始した。発端は90年代初めの川崎市北部の人口急増だった。ごみ処理が追い付かず、市はJR貨物の路線を活用し、北部地域で発生した廃棄物を浮島処理センターへ運ぶ運用を開始。普通ごみや粗大ごみ、空き缶や空き瓶など、時代と共に積み荷が増えたが、市内のごみ処理施設の整備が進むと共に積み荷の種類が減り、今では焼却灰とプラスチック資源のみに。

 加えて温室効果ガスを抑制する効果もある。市の推計によると、2023年度に排出した二酸化炭素の量は2万4600kgで、同じ輸送量をトラックで運んだ場合(25万3400kg)の10分の1以下だった。その名の通り「クリーン列車」へと変化を遂げた。

 市では独自の知見を活かし、様々な災害被災地にコンテナを貸与し、災害廃棄物の受け入れ処理をしている。95年の阪神・淡路大震災では約1万9000t、2016年の熊本地震では約1000tの廃棄物を受け入れ、現在も能登半島地震の被災地から受け入れ処理している。

 30周年を記念し、市は鉄道写真やイラストを募集している。詳細は市の公式サイトへ。

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