川崎区・幸区 社会
公開日:2026.07.24
「やり残した仕事がある」 元局長 一職員として再び現場へ
「やり残した仕事がある」--。その思いから、元局長は再びかつての現場へと戻った。
今年3月まで臨海部国際戦略室本部長として部を率いた玉井一彦さん。役職定年を機に一職員となり、自ら開発に携わった殿町地区の「キングスカイフロントマネジメントセンター」へ着任した。ここはいわば自身の仕事の原点であり、「最も思い入れの深い地」でもある。
入庁前、自動車メーカーへの就職も考えていた玉井さん。だが、当時殿町にあった工場の見学時に将来の撤退を直感し、市役所を選んだ。2009年、課長として配属されたのがまさにその跡地開発だった。以降、8年間同じポストでまちづくりに没頭し、企業の誘致を進めてライフサイエンス拠点の基盤を築き上げた。
あえて現場への復帰を志願したのは、誘致の「その先」を見据えてのことだ。企業を立地させて終わりではなく、「ここからいかに多くのイノベーションや成果を生み出せるか」。その仕組みの強化こそが、自らの手で進めたいと考えた理由だ。
現在は15年ぶりに予算執行や支払い手続きなどの細かい事務作業に追われる。かつての部下だった「上司」のもと、慣れないシステム操作に苦労しつつも実務をこなす日々を送る。逆転した人間関係では自らが立場をわきまえ、積極的に接することを心がけているという。
見据えるのは、局長時代に培った人的ネットワークの継承。誘致もイノベーションも、最後は「人のつながり」が成否を分ける。自らの人脈とノウハウを次世代へ引き継ぐため、元局長は今日も一職員として淡々と現場を支えている。
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