福島テレビアナウンサーとして震災報道等に携った後、テレビ神奈川に移籍した 長澤 彩子さん 南区双葉出身 27歳
今を生きる「息吹」伝える
○…4月からテレビ神奈川(tvk)のアナウンサーとして、毎週金曜夜6時の「NEWSハーバー」で司会を務めるほか、平日夜9時30分の「NEWS930α」で月曜スポーツコーナーを担当する。地元のアナウンサーになるのはずっと夢だった。生まれ育った相模原、よく両親と出かけた麻溝公園、思い出の場所を挙げればきりがない。中高を過ごした桐蔭学園を訪れ、母校の活躍を伝える喜びも味わった。
○…大学卒業後、福島テレビのアナウンサーに採用。もうすぐ1年というとき、東日本大震災にあう。激しい揺れの中、天井に亀裂が入るのが見え「死」を意識した。震災後はリポートに奔走。避難所では「何か知っているはず」と逆に質問攻めにもあったが、情報が錯そうする中では、確実なことを伝えられず、無力さを痛感した。全国からマスコミが押し寄せ、被災者の気持ちをえぐるような質問が飛ぶ場面も目にする。一方、避難指示が解除された地域は途端に報道されなくなる。「そこで暮らす人々の生活は続くのに」。地元局の一員として、ありのままを伝え続けることに努めた。
○…地元愛に溢れるスタッフに囲まれ、数々の忘れがたい経験をした。好物を聞かれれば一番に福島県川俣町の「川俣シャモ」が浮かぶ。いつからか福島は第二の故郷になっていた。しかし別れは突然訪れる。母亡き後も支えてくれた父が病に倒れたのだ。5年務めた局を去るのは辛かったが、親孝行したい一心だった。
○…tvkでの毎日は日々発見の連続で、改めて神奈川にどっぷり浸かる。県内でも福島を支援する活動が活発なことも知った。アナウンサーは原稿を読むだけが仕事ではない。文化、芸術、スポーツなど、地域の様々な情報を発信することで「人と人がつながる役に立てる」と信じる。「いつか福島と神奈川の懸け橋にもなれれば」。今日もカメラの前に立ち、今を生きる人々の息吹を伝える。
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