日本車いすテニスJAPANナショナルチーム監督として、(公財)日本障がい者スポーツ協会功労章を受賞した 中澤 吉裕さん 南区相南在住 50歳
「スポーツ」で障害を超える
○…受賞の報を受けて、パラスポーツの魅力発信のため、続けてきた活動を後押ししてくれた仲間への感謝が胸に広がると同時に、そんな自身の姿を見てくれた人の多さを実感した。喜びに浸る一方で、「もっと多くの人に親しんでもらいたい。まだ道半ば」と前を向く。
○…茅ケ崎市出身。小学校でサッカーを始めるが、兄と比べられるのが嫌で、中学からソフトテニスへ転向した。3年間で、出場した市内の大会はほぼ優勝。「テニスをやりきった気」になり、高校からは軽音楽部を立ち上げて、バンド活動にいそしんだ。テニスの世界に戻ったのは高校卒業後。たまたまプロ選手と試合をする機会があり、腕に自信はあったものの結果は完敗し、心に火がついた。プロに弟子入りし、ひたすらに練習に打ち込んだ。その一方で、指導者としてのキャリアもスタート。30歳の時に車いすテニス選手の玉澤紀洋さんと出会う。勝利と強さを希求する気持ちに共鳴し、指導を受け持った。手探りで練習法を模索して約1年後、二人三脚で挑んだ全日本選手権で悲願の優勝をつかみとった。
○…成人して家を出た子どもたちとお酒を酌み交わすのが楽しみ。「最近は忙しさとコロナの影響であまり機会がないけど」としながらも、友人同士のように盛り上がる「家族飲み会」を思い出して目を細める。
○…実績を買われて車いすテニスのナショナルチームの指導者に。現在は監督として、パラリンピックのメダルを狙う。「スポーツは立場や国境、障害の有無を超える」。相模原でも車いすテニスの体験イベントを企画し、共生社会実現への足掛かりのひとつとする。まずは来たる「東京」で、人々に感動を届けたい。
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