新たに中央区の区長に就いた 高野 弘明さん 町田市在住 58歳
「時には横に座るのも良い」
○…「改めて街を見渡してみると、いい資源が沢山ある。先人が作った基盤をいかしたまちづくりを」。区制施行15周年という節目の年に中央区長に就いた。総合計画が3年後に刷新される。今年度、来年度は市民との対話が必然的に増えるこのタイミングをより良いまちづくりを進める「チャンス」と捉える。
○…大学卒業後、相模原市役所に入庁。清新地域にあった職員寮で暮らした時期もある。結婚後、市内にアパートを借り新たな生活を始めた。数年後に幼少期に移り住み多くの時間を過ごした町田に居を構えた。環境、経済、農政、教育委員会、都市計画と幅広い部門を歩んできたオールラウンダー。「カウンター越しに向き合うだけでなく、時には横に座るのも良い」。ここで言う「座る」は物理的に座るという意味ではなく、心の在り方を示す。区民の相談に「寄り添い共に考える」。氏の人柄を的確に言い表す価値観で、公僕の歩みを支えた人生訓とも言えるだろう。
○…2人の娘は独立し夫婦2人暮らし。3人の孫にも恵まれた。一番年上の男の子は今春、小学校に入学。プレゼントした青色のランドセルを背負い通学している。それまでにも増して柔和に話す声色に良きおじいちゃんの姿を垣間見る。職場結婚で今も相模原市役所に勤める妻とは別々に通勤する。妻は10キロほどの道のりを颯爽と自転車を走らせる。以前は自身も自転車通勤だったが今は車で通勤している。
○…区民と行政が双方向に働きかける関係を理想とする。公僕の道は最終盤にあることは間違いない。公務員としての市民との向き合い方、価値観などを職員に共有していくことも大きな役割の一つ。区民とも職員とも「共に歩む」――。そんな姿勢を感じさせる。