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「鯉のぼり」今年行わず終幕 担い手不足など運営困難

文化

公開:2020年2月27日

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昨年度も延べ約46万人が来場するなど市を代表する名物イベントとして親しまれてきた「泳げ鯉のぼり相模川」=市提供写真
昨年度も延べ約46万人が来場するなど市を代表する名物イベントとして親しまれてきた「泳げ鯉のぼり相模川」=市提供写真

 ゴールデンウィーク期間中(4月29日から5月5日までの7日間)の相模原の名物イベントとして親しまれてきた「泳げ鯉のぼり相模川」(会場・相模川高田橋上流)について同実行委員会は8日、2020年度以降は行わず、昨年度の開催をもって終了することを決定した。同イベントは1988年(昭和63年)から32回にわたる歴史に幕を閉じることになった。

 同イベントは相模川の両岸に架けた5本のワイヤーに約1200匹の鯉のぼりを吊るし青空に泳がせるもので、市を代表する観光行事の一つとなっている。16年には延べ50万人が来場し最大規模を記録。昨年は7日間で延べ約46万6000人が来場している。

 終了の理由について同実行委員会では、鯉のぼりを取り付ける際に必要な資機材の老朽化と補修負担、河川敷の形状の経年変化に加え、昨年の台風19号の影響で開催場所、駐車スペースが狭小化しその整備の負担、そして担い手不足の3つを挙げている。

 一昨年からイベントの継続の有無を検討する中で、昨年は取り付けるワイヤー5本分を充足できず、4本に約1000匹を取り付ける形で開催。今年も諸条件が整えば開催する運びだったが、約1000万円をかけてワイヤーなどを修復する必要があり、資金面に人手不足も重なったことから中止ではなく、イベント自体を終了する決定に至った。

 同イベントは相模原中ロータリークラブ(RC)の社会奉仕事業として立ち上げ。第1回目は鯉のぼりの無償提供の呼びかけに呼応する形で600匹が集まりスタートした。2回目以降はワイヤー5本に1200匹を取りつけて開催し、次第に規模を拡大させていった。核家族化で自宅に眠る鯉のぼりの扱いに困る家庭が増えていた時代背景や、近年ではJAXA(宇宙航空研究開発機構)の研究施設を持つ自治体で構成される「銀河連邦」の協力も相まって、市内外から多くの鯉が集まるようになった。

 実行委員会会長で第3回から委員長を務めた永保固紀さん(76)は中央区水郷田名の宗祐寺の住職。イベント開催の前後にはお経を上げて、鯉のぼりの供養を続けてきた。初節句の鯉の提供を申し出る人も増えて来た矢先でもあった。「そういう機会をなくしてしまい申し訳ない」と話す。

協力者に「感謝」

 開催にあたり協賛金はもとより、田名地区の住民の協力が大きな支えになった。開催前の鯉の補修作業、当日の吊り上げ作業はボランティアたちが行い、開催全体には約100人が参加し運営を担っていた。そうしたボランティアなど人手の減少はイベントの終了に追い打ちをかけた。永保さんは「来てくれる人に申し訳ない」としながら、「協賛者、田名地区の自治会、子ども会の方々が継続して対応してくれた。感謝しているし、それしかない」と話し、「これまで無事故で続けて来られたのは誇り」と振り返る。

 中止を受け、担当の市商業観光課には鯉のぼりの返却についての問い合わせが来ており、対応を協議しているという。本村賢太郎市長は「寂しい思いがするが、この行事に関わった全ての方に感謝申し上げたい」とのコメントを発表した。

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