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さがみはら緑区 社会

公開日:2022.11.03

高橋かのんさん(高校3年)
規格外に着目し商品開発
野菜を労わる高校生のふりかけ

  • 販売中のふりかけを手にする高橋さん

  • パッケージのイラストは妹の咲良さんによるもの

 森のイノベーションラボFUJINO(森ラボ)の農産物商品開発プロジェクトが、9月に発売した「野菜を労わる高校生のふりかけ」(税込550円)。傷が付いたり、形が違うなどの理由で価値の落ちた地場野菜で作った商品で、開発の中心は高校3年の高橋かのんさん(シュタイナー学園高等部12年)。開発への思いなどを聞いた。

破棄される野菜

 きっかけは高橋さんが体験した中学3年時の農業実習。宮崎県に2週間滞在し、野菜農家で主に収穫を手伝ったという。そこで衝撃を受けたのが「形の悪い野菜が破棄されている」ことだった。「きゅうりは定規で測って曲がっているとB級品となり価値が落ちる。そして、買い手がいないと破棄されると聞いた」と振り返る。「美味しいのに形だけで破棄するのはおかしい」、そう思った高橋さんは「形で価値が落ちたり市場に卸せないなら加工すれば良い」と思ったという。さらに加工すれば規格外でも通常価格で買い取れ、農家を支えることができる。

多くの協力で完成

 それから高校3年になり、卒業プロジェクトのテーマにしたのが、規格外の野菜を加工して地域の名産を作ることだった。足りない知識を補ったり、多くの人とネットワークを構築するため、森ラボでプロジェクトを立ち上げ開発がスタート。仕入れ、乾燥、味の監修、製造は地元・藤野の農家、団体、商店の協力を得て進めていった。

 しかし、「苦労が多かった」と高橋さん。例えば、野菜を大量に仕入れたが、保存する冷蔵庫が足りず知人に保存をお願いしたという。さらに、6時間経っても野菜が洗い終わらず「想定が甘かった」と苦笑い。妹の真依愛(まいあ)さん、咲良(さら)さんに手伝ってもらい難局を切り抜けた。

 完成した商品には「野菜がたくさん摂れる」「素材の味が楽しめる」などの声が届いている。しかし、「食感は課題。次の参考にしたい」と次作にも意欲的だ。

食に携わる仕事に

 現在、高橋さんは大学進学の準備で商品開発は休止中。「将来は農業や食に携わる仕事がしたい」と夢見る。市のアクセラレーションプログラムにも参加し、将来の起業を視野に入れて研鑽を積んでいる。「ふりかけは地域貢献のために続けていきたい」と話す。

 商品は藤野倶楽部百笑の台所、土屋商店、藤野観光案内所ふじのね、森ラボで販売している。問い合わせは森ラボ【電話】042・649・0078。

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