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オーディオテクニカ まるで“白鯨” 新本社披露 世界に一つだけの建築

経済

掲載号:2016年1月21日号

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(上写真)竣工した新社屋の外観(左写真)建物の説明をする赤坂喜顕教授
(上写真)竣工した新社屋の外観(左写真)建物の説明をする赤坂喜顕教授

 成瀬街道沿いに、巨大な白クジラが現れた―。マイクロフォンやヘッドフォンなどのオーディオ機器を町田市成瀬から、日本だけでなく世界各国に発信している株式会社オーディオテクニカ(松下和雄代表)。同社の新社屋が竣工し12日、内覧会を開催した。

 (株)オーディオテクニカは1962年に新宿で創業し、レコードプレイヤー用のカートリッジの製作販売を開始。65年に成瀬に移転した。独自に開発したカートリッジの生産は、ピーク時に月産100万個を記録するなど国内シェアを伸ばし、海外メーカーにも採用されるなど世界にもその名を知らしめた。デジタルに移行した現在も、業態をマイクロフォンやヘッドフォン、AVアクセサリーに変え、その分野でも業績を伸ばし、『世界のオーディオテクニカ』として活躍。同社のマイクロフォンはオリンピックやグラミー賞、サマーソニックなど国際的イベントでも採用された。

 新社屋の設計を担当した早稲田大学教授の赤坂喜顕教授は「一回性の建築(ONLY ONE)」をメーンテーマに据え「その時代に、その敷地に、その建築主によってしか実現し得ない建築が、グローバルな展開を加速するオーディオテクニカの新しい象徴になる」と説明した。施工は以前から同教授の研究室とチームを組んでいる竹中工務店。これまでにも、このチームで同社の主要拠点の設計や監修に携わってきた。

 「デザイン性の中に機能性を重視し、さらに、高低差のある丘陵地の地形を生かした設計にした。この土地の特色を取り入れたかったので」と話す赤坂教授。周囲の住宅地に威圧感を持たせぬよう、1612坪の敷地に対し建蔽率を50%に抑え空間に余裕を持たせた。そのうえで容積率は122%と床面積に対しての空間容積を確保。「できるだけスリムでタイトなものに」とリサーチに時間を割いた。「各フロアの床の高さが異なるスキップフロア構造の内観や、大きな片流れ屋根の外観に展開し、その形状から『モビィ・ディック(白鯨)』というプラン名をつけた」

 技術研究開発の施設も拡充。本格的な「無響室」「「シールドルーム」「視聴室」を備え、「電波暗室」を新設。今まで外注していた試験も「自前で行える」ようになった。「ここから素晴らしい製品が生まれ、世界の人々に感動を与えていくことを願っている」

記憶の伝承も

 食堂に施されたタイルや家具は旧本社からの再利用。応接室のシャンデリア、ステンドグラスなどは創業者・松下秀雄氏のコレクション品を設置するなど、遺産を保存・再利用することで記憶の伝承も図っている。

無響室はあらゆる音を完全に遮断
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