楽しく遊びながら地元の川をきれいにしよう――NPO法人「川さらい」(深田秀男理事長)は市内を流れる境川や恩田川で環境保全を目的に清掃活動を続ける。「拾うのはゴミではなく宝物」。活動を通じて人の輪が広がり、支援や協力を申し出る人たちも少しずつ増えてきている。
「川には人を引き付ける力がある」と深田さん。きっかけは自宅近くを流れる境川の汚れが気になったこと。子どもたちが川に親しみを持ち、泳いだり、釣りやボート遊びができる場所を作りたい。「身近にある川がこんなにも汚れている。みんなに知ってもらいたかった」。小さかった子どもと週末にゴミ拾いを始めると、それを見かけた人が手伝ってくれるようになった。終了後、参加者に飲み物を振る舞いながら雑談するひととき。きれいになった川を眺めながら過ごす時間は誰もが笑顔になることに気が付いた。不定期で行ってきた活動が10年におよび、周囲の勧めもあって約1年半前にNPOを立ち上げた。
自転車、冷蔵庫、テレビ、パソコン…川の中にはありとあらゆるものが捨てられている。「特に多いのがビニールとタバコの吸い殻。風に飛ばされてきた物も多いとは思いますが」。毎週末の清掃活動には5〜10人ぐらいが自由に参加している。子どもから大人まで、「できることをできる範囲でやる」がモットー。基本的には川の中の清掃が中心になるので、水の深い場所では2、3人乗り用のボートに乗って行う。
メンバーによる清掃活動のほか、生態系調査、河川の利用についての検討など、環境保全活動も実施。花見客であふれた恩田川で活動したときは、道行く人から声もかけられた。活動を知ってもらうことで、環境への意識を啓発する狙いもある。
活動後は参加者同士の交流タイム。ボートで川下りをしたり、川から拾った廃材で作った水上自転車に乗ったり。楽しむ目的があるから長く続けることもできる。「川が人と人との出会いの場になる。境川が“天の川”のように人を結びつける川になったら嬉しいですね」。深田さん自身の最終ゴールは、町田から江ノ島までボートで川下りができるようになること。町田の財産でもある川が、多くの人の憩いの場となってほしいと願う。
支援の輪も広がる
活動を続けることで応援してくれる人たちが増えてきた。「飲み物を差し入れてくれたり、活動を支援してくれたり、人の温かさを感じます」。つくし野テニスカレッジ、つくし野英語学院はスポンサーと協賛の両面で支援。西武信用金庫町田支店、横浜銀行町田支店なども応援してくれている。
活動は毎週日曜の午前8時ごろから正午にかけて。増水による事故防止のため、降水予報があるときは活動しない。見学、参加歓迎。【URL】http://www.kawasarai.org
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