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母智丘神社 大正から令和の時代へ 創建100年記念誌刊行

文化

掲載号:2019年5月1日号

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記念樹として植えたしだれ桜の前で記念誌を持つ黒木亀宮司とセツ子さん
記念樹として植えたしだれ桜の前で記念誌を持つ黒木亀宮司とセツ子さん

 大正8年に創建し、平成最後の年に100周年を迎えた母智丘(もちお)神社(原町田5の12の11)。このほど記念誌を刊行し、4月21日には記念式典も斎行した。新しい元号の令和の時代に101年目の一歩を踏み出し、次の100年に向けてこれまで受け継いできたものを伝えようとしている。

 昭和47年に黒木家へ婿入りした亀(すすむ)氏(76)は、平成10年に3代目となる宮司を拝命。神社創建100周年を迎えるにあたり、1年ほど前から「何か記念になることをしよう」と言い出したのは妻のセツ子さん(72)の方だった。二人は縁があって見合いで結婚。セツ子さんは黒木家の三姉妹の長女として、ずっと原町田の地で生きてきた。

 周囲の勧めもあって、記念誌の作成に向けて動く。過去を振り返ることから始めた二人。すると、これまで思いもしなかった面白い事実が次々と浮かび上がった。例えば、その一つがこの神社の分霊を授かった宮崎県都城市(創建者、黒木昇氏の故郷)の母智丘神社の再興をはかったのが三島通庸だったこと。これはNHKの大河ドラマ「いだてん」の主人公、金栗四三とともに日本人初のオリンピック選手として一緒にストックホルムに渡った盟友、三島弥彦の父のことだ。当時、三島通庸は厳しい人であまり人から好かれなかったが「きっと百年後に、この功績が人々に認められるだろう」と語ったという。

 さらに熊本県出身の亀氏の叔父が暮らしていたのが、金栗四三の生家があった村の近くだったことも最近知った事実だ。これは余談になるが、金栗四三は教職に就くために熊本から東京の学校へ出て行った(オリンピック選手になったため、すぐに教師にはならなかった)。亀氏が上京した理由は別だったが、紆余曲折の末、結果として教師になり平成18年4月まで続けた。母智丘神社の創建100周年を迎える年の大河ドラマが「いだてん」だったことは、それまで金栗四三を知ることもなかった二人にとっては不思議な縁を感じずにいられない出来事だ。「まるで先祖がいろいろなことを導いてくれているように感じます」とセツ子さんは嬉しそうに語る。

記念誌作成にあたり

 「宝探しのように家中を探し回りました」と亀氏。古い写真や資料、書類のようなものがあちらこちらから出てきた。部屋の中いっぱいに集まった“宝の山”を、時代を追って整理し、内容をまとめるにはセツ子さんの記憶が頼りだった。「この機会にできて本当によかった。もっと後ではきっと困難な作業になったでしょう」。創建者である黒木昇、はな夫妻はセツ子さんの祖父母にあたる。今ではビルが立ち並ぶ原町田地域。「大正8年当時は桑畑と雑木林だったと聞き及んでいます。現在は市民の憩いの場となっている芹ヶ谷公園が近く、賑やかな街並みが広がる。祖父母は、将来このような地になると見越したのでしょうか」と亀氏は思いを馳せる。

 歴代宮司は3代とも婿養子。昭和50年、亀氏とセツ子さんに黒木家待望の男子が生まれ、長男の宣寿さんは平成11年に母智丘神社の禰宜を拝命した。100周年を記念した手作りストラップ作成、マイ御朱印帳のワークショップなど新しいことも始め、ホームページでは年間の行事報告をしている。時代とともに変わりゆく世の中にあって「地域のよりどころとして、みなさまに近い存在の神社でありたい」というのが宣寿さんの思いだ。

 毎年4月23日の「母智丘の日」に近い日曜に春の例大祭が行われる。21日には例大祭と合わせて記念式典を斎行。その後、境内には記念樹としてしだれ桜が植樹された。

 記念誌刊行には多くの人の力を借りた。二人では無理だと思えたことも、周囲の助けがあったから完成させることができたと感謝の言葉を口にする。「今後、私たちは先々代そして先代の意志を継ぎながら、次の100年、200年に向かって精進していきたいと思います」

 創建100年記念誌は300部作成。数に限りはあるが、希望者には一部配布している。問合せは【電話】042・722・5436同神社へ。

母智丘神社の本殿
母智丘神社の本殿

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