日本で唯一となる動物専門の義肢装具士で、金井中で講演を行った 島田 旭緒(あきお)さん 根岸在住 39歳
歩く喜び、装具でかなえ
○…日本初の、そして唯一の動物専門義肢装具士。ペットなどの動物に義足やコルセットなどの装具を付けて、その生活をより良いものにしている。ケガや病気、老化で手足を切断したり、足腰が曲がってしまった動物たちはそのままでいると悪い部分が壊死したり、寝たきりになって死期が早まることもある。12年前の開業からこれまでに2万件、今では年間3千匹のペースで動物たちの命を守り、飼い主たちに笑顔を与えている。
○…藤沢市出身。中・高と美術部で「湘南の海の近くにいたけど、華やかさとは無縁のインドア派」。この道に進むきっかけとなった祖父は、務め先の工場で鉄の破片で片目を失明。義眼を入れていた。また、プレス機につぶされ、片方の手の指を失っていた。「そういう障害のある人たちのためになれたら」と進むべき道が決まった。ものづくり好きも高じた。
○…専門学校時代、動物専用の装具がないことに気づき、卒論のテーマに。需要があることも確認できた。国家資格を取り、人用の装具会社に勤めながら動物病院で研修を受け、今の会社を立ち上げた。動物用の装具はサイズや形状も様々だ。一つ一つ手作りなので、高額になる。現在、慶應大学と共同で3Dプリンタを使った装具づくりに挑んでいる。安価に、入手しやすくするために。
○…「なにしろ、動物専門は僕以外いないので」。依頼がある限り、オフはない。名古屋、大阪、福岡などに月一で出張。獣医学校でもセミナーを開いたり、学会発表を手伝ったり。そして昨今増えているテレビの動物番組の出演オファーも多い。「広めるのも使命なので喜んで出ますけど」とほほ笑む。妻と小2の一人息子、4匹の犬と暮らす。「なかなか遊んであげられないけど」
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