「GOOD DESIGN AWARD2020 グッドデザイン賞」がこのほど発表され、町田市内の2施設が受賞した。シンボルマークの「Gマーク」で知られるグッドデザイン賞は公益財団法人日本デザイン復興会が主催し、1957年から開始。デザインによって人々の暮らしや社会をよりよくしていくことを目的にした活動だ。受賞した2施設の関係者は喜びのコメントを寄せている。
受賞施設のひとつ、薬師池公園四季彩の杜西門ウェルカムゲートは複数の公園等で形成される同エリアを1つの公園とみなすプランディングにより、「集う」「ただ居る」ことができる建物(カフェ、貸しルーム、ライブラリー)とランドスケープ空間を整備したこと等が評価された。
薬師池、リス園、ダリア園、ぼたん園、七国山など、自然と歴史、文化が存在する市を代表するエリアに今春オープン。同公園四季彩の杜エリアの核となる複合施設を整備し、認知度とエリア内の回遊性を向上させることを目指した。
丘陵地を活かす
評価のポイントなったのが、プランディング・建築設計・ランドスケープが連携し、使い方と形の一貫性を大切にしたプロセス。また、斜面地に寄り添った分棟型の木造建物と空間、かつてはいたるところで見られた風景としての雑木林の再生も高評価につながった。上空から見ると、丘陵地を活かして大きな造成を避け、建物を地形に沿わせてボリュームを抑えた様子がわかる。さらに既存の農道や生活道を残し、斜面地の園路には手すりを設けずに緩やかな勾配となるよう工夫されている。審査員は「大地の起伏に対するデザイン、細かい工夫が空間の質を高めている」とコメントしている。
同施設は市が取り組む観光まちづくりの中でも最も力を入れているエリアの一つ。都市づくり部公園緑地課の新聡課長は「この受賞が市民のみなさんはもちろん、周辺地域の方にも広く知られ、足を運んでいただくきっかけになってもらえたら嬉しい」と話した。
地域コミュニティ育てる住宅
もう一方の「まちのもり本町田」=下写真=は、築27年の独身寮の建物を豊かな共有スペースを持つ賃貸共同住宅へと改修し、コレクティブハウスとコモン付賃貸住宅を複合させた賃貸住宅。単に共用部が充実する改修ではなく、居住者が組合をつくり主体的に暮らしを運営する「コレクティブハウス」を核にすることで建物内部のコミュニティだけでなく、地域の町内会、NPOや地域包括支援センターなどとの関わりを含めてデザインし、それらを実現する試みが高く評価された。「様々なライフスタイル、ライフステージを持つ人々が共に暮らし、生活の中で様々な助け合いを実現しています。これからの住まいの選択肢として加えていただければ」とNPOコレクティブハウジング社代表理事の宮本諭氏。同施設は同時に「キッズデザイン賞」の優秀賞・少子化対策大臣賞も受賞した。
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